哲学

考える

無垢を崇めるな

──とある夏の昼下がり。私は友人と、ショッピングモールに訪れていた。その屋上駐車場に、プールがあった。プールと言っても、円筒型のゴムプールだ。本格的な広さはないが、十人くらいは入れる中型サイズだった。子どもたちを預かることで、親たちの買い物...
考える

決めるって難しい

このところ、「決断」について考えている。物事を決めると言うことは、とても難しく、そして不思議なことだと思う。社長の仕事は決断することだ。つねに勇気ある、自信たっぷりの決断をしなければならない。だが神ならぬ身に明日が見通せるはずもない。どうし...
考える

効率的な人生?

ちょっと前に、S氏について書いた。S氏はまとまった資産をゲットできたので、セミリタイアした。しかし打ち込めるものがないため、ヒマをもてあましている。この夜、S氏と話した内容はけっこう奥が深い。S氏はこう言った。「ボクはね、なんでも効率重視な...
考える

自信と過信

未来のことは、誰にもわからない。似たようなことはあっても、同じことは発生しない。だから、自信をもって約束できることなんかない。……それでも、やらなきゃならないときがある。引き受けたはいいが、有効な策を思いつかない。(どどど、どうしよう? ど...
考える

勇気と狂気

殺し屋に追いつめられて、意を決して崖から飛び降りる。勇気ある行動に見えるが、実際には、ほかに選択肢がないだけだ。結果は単なる運であり、当人の実力とも関係ない。やるしかない状況でやるのは当然だ。勇気でもなんでもない。──本当の勇気とはなんだろ...
考える

雨の日の悪意

──宵闇の満員電車。外は雨。コウモリ傘を手にした乗客が多い。電車が揺れるたびに、声にならない不満が漏れる。メガネが曇るほど、湿度も高い。べつに特別な日じゃない。乗客はみな、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に慣れているはず。なのに陰鬱な雨のせいか、...
考える

萌えとビタミン剤

中学のころの話。学校行事の山登りでヘトヘトになった私に、理科の先生がこんな話をしてくれた。「伊助、疲れたか? そんなときはビタミン剤をのむと疲労回復するぞ。」「そうなんですか?」←疲れ切った14歳の私「あぁ、ただし1回だけだ。」「?」「ビタ...
考える

労働は苦役なりや?

意味は、その対象ではなく観測者の中にこそある。見る人がちがえば意味も異なる。どれが正しいかなんて、問うても仕方がない。──労働は苦役(イヤなこと)なのだろうか?A.労働は苦役なり。働くことは、どう考えてもイヤなことだ。イヤなことだからこそ、...
考える

タロットの導き

とりあえず8話まで書いたとき、ふと思った。(このままダラダラと書き続けても、仕方がない......)そこで私は、ショートショートを1冊の本にまとめることにした。これを当座の目的にしよう。1冊の本にまとめてどうするのか?そんなこたぁ、まとめて...
考える

作家と読者

ずいぶん前に、とある掲示板で見かけたトピックを思い出した。たしか、こんなことが書いてあった。「そもそも作家と読者が仲良くできるはずがない。 それは、ホームページが与えた幻想に過ぎない。」「名著を読んだら、著者には会うな。 作品は、作品だけで...
考える

作家と編集者

とにかくなにか作品を発表してみたかった。最適な書式を見つけ、習得することが、最大の課題だった。しかし今は、新しい問題に直面している。最初は苦労した1,000文字ルールだが、なんとなくコツがつかめてきた。わかってくれると思うが、1日1本ずつ公...
考える

日常と非日常

友人Aより、励ましのメッセージが届いた。曰く、「ショートショートより、通常日記の方がオモシロイ」そうだ。伊助の日記は、ありふれた日常の中でなにかを発見したり、理解する話が多い。友人Aは、こうした「日常の中にある非日常を描いた話」がお気に入り...
考える

自分を知りたい

ショートショートをお送りしております。番組はまだ続きますが、ここで著者の独り言などを少々......。私は、自分が何者であるかを知りたい。なにができるのか、どこまで行けるのか、なにを残せるのか?最初に5本のショートショートができたときは、発...
考える

S氏が持てあます日常

今夜はS氏と呑んできた。S氏は42歳。2年ほど前まで我が社に勤めていた人物である。とある事情から、資産収入が支出を上回ったため、退職して、引退生活に入った。──40歳で引退。なかなか聞かない話である。そのS氏が呑みたいと連絡してきた。なにか...
考える

考えること、書くこと、完成させること

私は、考えることが好きだ。なにかが見えると、その色、相、質、意義などについて考えてしまう。なにも見えないときは、なぜ見えないのかを考える。考えることは楽しい。スポーツマンは、身体を動かすことが快感であるように、私は脳みそを動かすことが快感な...
考える

外部記憶装置

──私の妻は、物忘れがひどい。ときおり病気ではないかと思うほどだ。いや、ほんとうに病気なのかもしれない。病院で診察してもらって、「奥さんは10年前から痴呆症ですね」と診断されても、「やっぱり!」と指を鳴らしてしまうだろう。短期記憶も問題だが...
考える

千の貌をもつ善意

仕事で、いやーなヤツに出会った。おかげで、週明けから余裕がなくなり、日記が更新できなかった。まったくもって不本意な展開だ。いろんな事情があって、この仕事は断れない。我慢するだけの価値がある。……なんだけど、ムカつく相手だ。殴ってやりたい人間...
考える

歩いてみよう

果実をとる方法 【鳳凰篇】文章を書き始めたのは、高校2年(1987年/16歳)の頃だ。もう、人生の半分以上(18年)を費やしたことになる。それだけの時間をかけて、ただの1篇も完成していないのかというと、そうでもない。友人Gと共同執筆していた...
考える

本心を言ってみろ

果実をとる方法 【涅槃篇】Gはいま、新しいアプローチを試みている。どんな試みなのか、うまく進んでいるのか?詳しいことは知らないし、知っていてもここには書けないだろう。私はただ、応援するだけだ。──私はただ、応援するだけ?そんなことはない。私...
考える

ガソリンがない

果実をとる方法 【虚空篇】業務は軌道に乗ってくると、私の出番は減っていった。やがて、出社せずとも仕事がまわるようになる。もちろん、完全に手放しできるわけではないが、それなりの自由を手に入れた。そんな私の前に、分岐点があらわれた。  A.もっ...
考える

拘束に生まれ、自由に死す

果実をとる方法 【独覚篇】どうすれば果実を手に入れられるか?果実の前には、2つの関門がある。すなわち、拘束と自由だ。拘束される(多忙になる)と、好きなことができない。しかし自由があれば、なんでもできるわけじゃない。このあたりが、このシリーズ...
考える

All or Nothing

果実をとる方法 【青嵐篇】自由を使いこなせなかった私は、その自由を売り渡すことにした。つまり、就職したわけだ。すると今度は、自由がまったくなくなってしまった。社会人になることが、これほど不自由なこととは思わなかった。アニメやゲームを楽しむ時...
考える

自由の使い方

果実をとる方法 【外伝】──1997年(26歳)。私はマルチメディアスクールの教務主任になっていた。一方、Gは翻訳家からライターに転身していた。仕事を経験し、そこそこの貯金ができたと見るや、Gは捨て身の作戦に出た。家を出て、小さなアパートを...
考える

果実をとる方法 【中】

あらすじ私とGは、共同で長編小説を書いていた。それを出版社にモチコミしておきながら私たちは逃げた。この日から、私とGの道は分かれた。私とGは、異なる方法で、"小説家という果実"を手に入れようとしたのだ。 その後、友人Gは翻訳家を経てライター...
考える

果実をとる方法 【上】

──1990年(19歳)。私は友人Gと飯田橋にいた。Gは、高校時代からの友人だ。この時点では卒業から1年目になる(私は浪人中)。高校時代、私とGは共同で長編小説を書いていた。ファンタジーノベルである。といっても、この時点ではプロット段階。大...
考える

やむをえない

誰にも迷惑をかけずに生きていくことは可能なのだろうか?答えは……否だと思う。なにかを望めば、誰かに迷惑がかかる。誰にも迷惑をかけたくないなら、自分を殺すしかない。生きる(存在する)ということは、誰か(世界)に迷惑をかけることだ。だからといっ...
考える

新・悪魔との取引

──想像してみよう。TFTモニタから悪魔が出てきて、あなたにこう囁いた。《もし高校時代に戻れたら、おまえは違う人生を歩むか?》あなたはどう答えるだろう。「若いうちに、もっと身体を鍛えておけばよかった」「あんなに時間があったのだから、留学すれ...
考える

常識の探求

常識とはなんだろう? 私はこう定義している。常識とは、他者との衝突を避けるための経験則である。挨拶する。よくしてもらったら、お礼を言う。不慣れな場所では、派手な格好や不用意な発言を控える。勝手にモノを借りない。約束を守れないときは、早めに連...
考える

自分の消費回数

私の日記にも、消費回数のカウンターがあるかもしれない。1回読むごとに、1ずつ減っていくのだ。それが0になると……読者は去ってゆく。自分がいつも、消費する側にいるとはかぎらない。なにかを作るとき、人は、消費される側にまわる。私にとって日記は「...
考える

消費と発電

どんなに好きな曲でも、繰り返し再生すれば飽きてくる。まるで、「消費回数」という見えざるカウンターがあるかのように。そしてこのカウンターは、人間にもあるのかもしれない。──もちろん、音楽と人間はちがう。人間は、接点をもつことで、好意が増えるこ...