万世・鉄板ステーキ千代田 / 壱万円のステーキはうまかった
2000年 東京都:都心部 洋食 牛肉「高い肉だけはやめておけ。ふつうの肉が食えなくなるぞ」
と友人Eに忠告された。
「たまには高い金を払ってでも、美味しいステーキなんか食べてみたいねぇ」
と私が言ったことへの返しだった。
しかしそう言われると、がぜん興味がわく。むしろ、この忠告によって決心できたのかもしれない。てなわけで、秋葉原までやってきた。
最高のステーキとして
秋葉原・万世本店の最上階には「鉄板ステーキ千代田」という店がある。以前、ちらっとメニューを見たら、聖コース(松坂牛ロース180g:12,500円)というのがあったので、これを注文することにした。
もちろん、これが最高のステーキだとは言わない。
そもそも最高のステーキがどこに売っているのかさえ知らない。たまの贅沢として思いつくのが「秋葉原・万世の最上階」というのは、レベルが低いのかもしれない。よくわからない。
だが、私にとっては最上級店だ。清水の舞台から飛び降りる覚悟で決めたのだ。だから待合室でもソワソワしていた。吉野家を常食とする私には、あまりにもかけ離れた世界だったからだ。
目の前で調理する
この店は、料理人1人が1つの鉄板と1組の客を受け持つらしい。
※料理人が挨拶して、目の前で肉や野菜を焼いていく
焼き上がると、食べやすいように切って、皿の上にのせてくれた。
こういう店もあるんだね。
※肉が焼けていく
それはまったく異なる味わい
さて、友人の忠告だが...正しかった。
高い肉は、安い肉の延長線上にあるものではなく、まったく異なる食べ物だった。陳腐な表現で恐縮だが、口の中で肉がほどけていくのだ。
その旨味たるや、むふぅぅぅ~ん。感動する美味しさだった。
「これが肉だというなら、今まで食べていたモノはなんなんだ?」
ふだん、牛ステーキ弁当とか食べていたのは、焼いたゴムだったのか? 1,000円や2,000円では、この味は得られない。ならば、そんなものに金を出すより、せっせと貯めてここに来た方がいいのではないか?
※とろけるように美味しかった
うはぁー! 友人の言ったとおりになってしまった。
なので、今こそ私も忠告しよう。
「高い肉はやめておけ。ふつうの肉が食えなくなるぞ!」