雑誌に載るような店
2000年 東京都:都心部 和食「もっとゆとりのある暮らしをしよう」
社会に出てからこの10年。がむしゃらに駆け抜けてきた。結果、自分の会社を興すまでに至ったが、その暮らしぶりはお粗末なままだった。
燃料補給のように食事を摂り、機体をメンテナンスするように睡眠する。
そんな暮らしがイヤになったわけではないが、もう少し人間らしい生活をしても、バチはあたるまい。私も2ヶ月後には三十路に入るのだから。
そう思い立って、「生活ゆとり宣言」をしたはいいけれど、どうすればいいのだろう?
よくわからない。
で、とりあえず雑誌に紹介されるような店に来てみた。
雑誌に載るような店に行ってみた
写真は、2,400円のカキアゲ丼。
他の人は知らないが、2,400円といえば大金だ。それなりの覚悟を持って、私は注文した。
※2,400円のカキアゲ丼
紹介文にあったように、すごいボリュームだった。
小エビの巣のように、ぎっしり具も詰まっている。それでいて、油っこいわけでもない。だが...あまり感動はない。タレが弱いのである。
※ボリュームはすごいが、味はいまいち
期待するほどの感動はなかった
まったく駄目というわけじゃない。
ただ、時間やお金をかけてわりには、感動がうすすぎる。こんなものかという感じ。仕事の合間に食べる吉野家の牛丼の方が、ずっと美味しい気がする。
味の差以外にも、なにか見落としているものがありそうだ。
「ゆとりある暮らし」とはなんだろう?
その答えは、まだ見つかりそうにない。