金時山ハイキング(夜)
2002年 神奈川県 夜景 山・渓谷「ご来光が見たいぃぃ~!」
と、妻がジタバタと騒ぎはじめた。
話を聞くと、一昨年の富士登山(2000/08/19)において果たせなかったご来光を体験したいそうな。
...というわけで、「金時山ハイキング」が計画された。
22:00-出発
例によって、私は妻の計画をよく見ていなかった。
命じられるままに寝かされ、起こされ、ハンドルを握らされた。まだ前日22時である。
(こんなに早くから行って大丈夫なんじゃろか?)
ともかく運転して、金時山へと向かう。
02:00-金時山
到着したはいいけど、真っ暗だ。
車のライトを消すと、なんにも見えない。まだ、草木も眠る丑三つ時なのだ。
「...こんなんで登山できんの?」
「...うーん」
どうやら妻は、なにか勘違いしていたようだ。
夜の山は暗いのだ。ちゃちなヘッドライトでどーこーなる世界じゃない。富士山は、列をなすほど人がいたし、強力な照明設備もあった。しかしここはちがう!
こんな鼻もつまめない暗闇に入っていくのは自殺行為だ。
「どういう計画なの?」私は車を止めて、妻に尋ねた。
「えぇと、神社の反対側の林道ゲートから入って、12個のハシゴを登ったり、滝を見たいの」
「深夜なのに、どうやって滝を見るの?」「...」
「林道ゲートって、あの閉鎖されているやつか?」「...」
「ちょっと見てこいよ」「...怖くて、降りられない・・」
やむなく私たちは金時神社まで走り抜けて、夜明けを待った。
──まったく無謀な計画だった。