東京港野鳥公園・ボランティアの方々

2005年 東京都:南部 公園
[WGS84] 35.581532, 139.765877 - Google Earthで開く(kml)

「潮入りぐるっと観察会」はとても楽しく、有意義だった。

これを主催しているのは「グリーンボランティア」というNPO法人。東京港野鳥公園を中心に活動しており、正会員は80名。その9割は、なんらかの仕事に従事しているそうだ。つまり、平日は企業やお店で働いている人たちが、土日は公園に集まって活動しているわけだ。
──ちょっと感動してしまった。

野鳥観察
※野鳥観察

正直に告白すれば、私はボランティア精神に乏しい男だ。お金にならないこと、個人の喜びに帰結しない行動はしない。さらに告白すれば、ボランティアという言葉もキライだ。なんというか、偽善的なイメージをある。
だが、ボランティアのすべてが偽善というわけでもない。
両者の線引きや実勢比率などは知らないが、少なくとも私は、この観察会を主催してくれた方々には好感を抱いていた

ただ、野鳥を見るための集まりじゃない。野鳥を見るために、野鳥が生息する環境を調査して、保護して、それを後世に伝えていこうとする。子どもたちが目を輝かせながら、花の臭いをかいだり、蟹を追いかけていたのが印象的だった。ボランティアの方々も、子どもたちが怪我をしないように注意し、しかし恐れる必要がないものには積極的に触れるように、案内してくれていた。

孫に自然を教えるおじいさん
※孫に自然を教えるおじいさん

(自分が親だったなら...)と思う。
自分が親なら、自分で手で、子どもに教えてやりたい。(この実は食べられる。この虫は刺さない。これは○×という現象だよ...)
しかし私には、それだけの知識もノウハウもない。だが、ここに連れてくれば、安全に、楽しく、正しく教えてあげられるのだ。

一方で、ボランティアの方々も対価を得る。観察会のラストでは、子どもや親たちが感想を述べるシーンがあった。
「これがよかった、ここが楽しかった、ここをもっと知りたい...」
こうした反応(リアクション)が、ボランティアの方々への報酬になるようだ。偉そうなことをいって恐縮だが、営利目的の仕事ではなかなか得られない「充実感」だと思う。
子どもたち、親たち、ボランティアの方々、野鳥や自然環境。そのすべてにとって有益な循環に思えた。

私はボランティア精神に乏しい男だ。これからもしばらくはそうだろう。しかし、死ぬまで営利活動のみというのも寂しい。自然保護活動に参加するかどうかはともかく、報酬に左右されずに、自分がやりたいことをやれるようになりたいとは思う。

(自分が得た知識やスキルを、人類や未来のために使いたい)

そう思ってしまうのは、偽善だろうか。
──今はまだわからない。

■東京港野鳥公園
[住所] 東京都大田区東海3-1
[規模] 面積:24ha

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