巾着田 / そこは曼珠沙華の里

2005年 埼玉県 公園 治水・利水
[WGS84] 35.881505, 139.310428 - Google Earthで開く(kml)

巾着田(きんちゃくだ)の曼珠沙華(彼岸花)を見てきた。

キッカケは例によって駅のポスター。
真っ赤な曼珠沙華が一面に咲きほこる写真はインパクトがあった。GWの「羊山公園・芝桜の丘」と同じパターンではあるものの、あえて誘いに乗ってみることにした。

曼珠沙華のポスター
※曼珠沙華のポスター

朝イチで駆けつけたけど、人がいっぱい

芝桜のときと同じで、相当な混雑が予測される。
なので午前6時に起床して、西武池袋線に乗り込み、8時30分には高麗(こま)駅に到着した。しかしそれでも、すでに大混雑だった。電車で運ばれてきた大量の行楽客は駅から吐き出され、売店などに引っかかりつつも道を流され、高麗川をわたり、巾着田へと吸い込まれていく。すごい人気だ。

巾着田
※高麗川に囲まれた巾着田

巾着田(きんちゃくだ)とは

高麗川(こまがわ)の蛇行によって作られた農耕地。
いつの頃からか曼珠沙華(彼岸花)が群生するようになり、行楽地として有名になった。環境保護のため、入場料200円が徴収された。

巾着田にかかる橋
※巾着田にかかる橋

橋からの眺め
※橋からの眺め

一面の曼珠沙華

──いやぁ、真っ赤だね!
今年はいろんな花の群生地を見てきたけど、この曼珠沙華の群生には圧倒される。
赤いミルククラウンのような曼珠沙華が、雑木林を真っ赤に染め上げていた。ところどころ、木漏れ日が当たる曼珠沙華は、燃えるように光り輝いている。また、すらーっと伸びる茎の緑色が鮮烈な印象を与えていた。

曼珠沙華の群生
※曼珠沙華の群生

私は一眼レフを取り出して、撮影を開始した。
同じように、三脚とカメラを構える人が多く見られた。みんな朝早い時刻を狙ってきているのだろう。こういう場所ではデジタルよりフィルムカメラを使っている人を多く見かける。

曼珠沙華:赤いミルククラウンのようだ
※赤いミルククラウンのようだ

曼珠沙華の生態

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とは、彼岸花のこと。ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草である。ミルククラウンのような赤い花を咲かせる。

曼珠沙華(彼岸花)
※曼珠沙華

毒のある花だ

秋の彼岸のころから花をつけることから彼岸花と呼ばれる。
その鱗茎(球根)にはアルカロイド系の毒(リコリン)が含まれている。花茎の汁に触れると皮膚炎を起こすので注意が必要だ。

曼珠沙華(彼岸花):つぼみ
※曼珠沙華(彼岸花):つぼみ

花が咲いているときには葉がなく、葉があるときには花がない

彼岸花を見るときは、その茎にも注目してほしい。
すらーっと伸びる茎はあざやかな緑色で、とても美しい。おひたしにしたら美味しそうだが、有毒なので食べちゃ駄目だ。

曼珠沙華(彼岸花):茎
※すらーっと伸びる茎

さまざまな異名

曼珠沙華には異名が多い。
死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)など、不吉なイメージが強い。実際、見ていると不思議な気持ちになる。彼岸花とはよく言ったもんだ。
ちなみに、花言葉は「悲しい思い出」。

白い曼珠沙華もある

巾着田で白い曼珠沙華も見かけた。
赤い中にぽつんと白いものが見えるので、骨のような印象を受ける。
(改良種だろうか? こんな不吉な花を品種改良するだろうか?)

曼珠沙華(彼岸花):白い品種もある
※白い品種もある

と思って調べたら、本当に園芸種だった。
黄色い彼岸花もあるそうだ。不吉なイメージをもたない欧米で改良されたものらしい。なるほどね。

巾着田にはコスモス群生地もあったけど、曼珠沙華に比べると平凡すぎた。コスモスもきれいな花なんだけどね。

10時30分頃、巾着田をあとにする。
高麗駅前で蕎麦や餅、握り飯などを食べて、電車に乗る。帰宅したのは、13時すぎ。今日の旅は、午前中で完了してしまった

わざわざ遠くまで出かけて、ちょっとモッタイナイ感じもするが、ここで欲張るとツライことになる。今日は夏日だったので、早めに切り上げることにした。
そのおかげで、今はこうして家でのんびりできている。

よい経験ができました。