箱根旧街道 / 不思議な静けさ
2005年 神奈川県 #箱根散策 交通:道路 建物:社寺・史跡海賊船を降りたのは、15時30分だった。
微妙な時刻だな。ここ(箱根町)から箱根旧街道を歩いて、畑宿まで抜けるつもりだったのだが......行けるだろうか? 山の中で日が暮れたらどうしようもない。
ま、アレコレ考えてもはじまらない。とにかく日が暮れるまで歩いてみよう。
※日が暮れる芦ノ湖
箱根御関所・箱根関所資料館
箱根は東海道第10番目の宿場町。江戸時代にはここに関所がおかれ、関東への警備を担っていた。
そんな在りし日の姿をしのぶため、箱根の関所が再現されていた。立ち寄ってみたが、転じないようそのものはたいしたことなかった。今後に期待だね。
しかしまぁ、こうして土地の歴史に思いを馳せることは悪くはないだろう。
旧街道杉並木
関所資料館から元箱根まで、芦ノ湖畔に沿って残された旧街道杉並木。江戸時代のはじめに植えられたと伝えられている杉は、現在も420本ほど残っていて、散策路として利用されている。
ここは意外によかった。湖畔の道路から少し離れているので静かなのだ。それに、これだけ巨大な杉に囲まれると神妙な気持ちになる。
惜しむらくは、あっという間に終わってしまうこと。気がつくと、そこはもう元箱根だった。
※旧街道杉並木:写真で見るとふつうだが...
※その場の雰囲気はこんな感じ
元箱根
時刻は16時30分。あと30分ちょっとで日が暮れる。いまはまだ明るいが、山の日の入りは早い。あっという間に真っ暗になる。
(さて、どうするか......?)
さすがにもう畑宿まで抜けるのは無理だろう。しかしこの先には、旧街道の石畳があるらしい。それは見てみたい。
──なので、20分ほど先に進んでみた。
道は湖畔を離れて、山の中へと入っていく。細く、険しくなる。やがて、石畳が見えてきた。こうした石畳が、この先にも断続的に出てくるらしい。
私はカメラを構えたが、シャッタースピードが遅いことに気づく。人間の目に見えている以上に、周囲はもう暗いらしい。
「ここが限界だな」
私は元箱根に戻ることを宣言した。
※元箱根に到着。もうすぐ日が暮れる。
箱根登山バスで箱根湯本へ
バスに乗ってしばらくすると、一気に暗くなった。やはり引き返して正解だった。なんだか、カメラの光量感知機能に救われた気分だった。
◎
こうして箱根ツアーは終了した。
箱根旧街道には未練も残ったが、またチャンスもあるだろう。全体的に駆け足だったけど、無理した感じもなく、満足できる小旅行だった。