年末・六本木の夜
2006年 東京都:都心部 日常終電を乗り過ごした私は独り、ふらふらと六本木まで歩いてきた。
タクシーを拾うためだったが、半分は酔い覚ましだった。
六本木は盛況だった。
深夜3時を過ぎているのに店の灯りは煌々と輝き、多くの若者が行き交っている。
若者といっても30代くらい。なにやら女性が多い。
ゴージャスな服装をしてるのに、マネキンのように細い体躯がわかる。つまり、それだけ露出部が多いってことだ。
照らし出された顔はやたらと白く、なんだか不気味に思えた。
コイツラはなにをやってるんだろう?
※てくてく歩く
六本木通りに出ると、大量のタクシーが流れていた。
しかし、まったく空車がない。たまに赤い点灯が見えると思ったら「迎車」のサイン。どーなってんだ?
※タクシーが止まってくれない
そして、ここにも若者があふれていた。
手をあげたり、あげなかったり。タクシーを拾う気があるのかないのか。楽しそうに笑って、踊って、抱き合って、ふらふらと流れていく。
※ヒルズから東京タワーを撮影
──1時間後、ようやくタクシーを捕まえて帰路につく。
運転手さんが言うには、年末の六本木はひどいらしい。大金をもった若者たちが、この世の終わりのように遊び狂っているそうだ。40代以上の中年たちは金がなく、20代以下のガキどもは元気がないので、30代の動きが目立つんだって。
運転手さんの偏見に満ちた意見だけど、なんとなく納得した。
あーゆーのは、どうにも馴染めない。
楽しそうに見えるが、仲間に入れてほしいとは思わない。
年末の夜、六本木にまわったのは失敗だった。