布引の滝 / さらさらと布をひくように
2007年 兵庫県 #神戸旅行 名水百選 日本の滝百選 滝新神戸駅を降りた私たちは、まず布引の滝を見に行くことにした。
布引の滝は、日本三大神滝の1つ。
生田川の源流・布引渓流にある4つの滝の総称で、下流から雌滝(めんたき)、鼓ケ滝(つつみがだき)、夫婦滝(めおとたき)、雄滝(おんたき)で構成されている。布引の滝は「日本の滝百選」にも選ばれている。
また布引渓流は「名水百選」に、渓流沿いおよび布引山は「森林浴の森100選」に選ばれている。
- 日本三大神滝
- (栃木県) 華厳の滝、
- (和歌山県町) 那智の滝
- (兵庫県) 布引の滝 ←いまココ
新神戸駅から歩いて15分と聞いていたけど、急勾配の坂道がつづくので、けっこうきつかった。
※布引水路橋・砂子橋(いさごばし):レンガ積の水管橋、国指定重要文化財
雌滝(めんたき)
最初に現れたのは雌滝。
水が白く、さらさらと流れ落ちていた。布引の地名は、この雌滝の滝水が布をたらしたように落ちる様子から名付けられたと言われている。
※奥にあるのが雌滝(高さ19m)、手前は雌滝取水堰堤
滝壺には堰が造られており、ちょっと珍しい眺めだった。
この取水施設は現在も水を汲み上げており、その水はパイプを伝って、先ほどの砂子橋を通って、奥平野浄水場で水道水として利用されているそうだ。
※右奥に見える天文台みたいな建物が取水施設(国指定重要文化財)
鼓ヶ滝(つつみがだき)
つづいて鼓ヶ滝。
しかしどうにも見えにくい。これじゃ気づかずに通り過ぎる人も多いのではあるまいか?
※見えにくい鼓ヶ滝(高さ8m)
渓谷側のルートからは、滝がよく見えるらしい。
しかし阪神淡路大震災以来、崩落の恐れがあるため通行止めにされていた。私たちが歩いたのは山側のルートだったわけね。震災の影響はこんなところにも及んでいたんだな。
布引渓流を歩く
布引の滝を結ぶ渓流は、大地がずれ動いてできた断層に沿って流れているらしい。
なるほど、険しい岩に挟まれた流れは壮観だった。新幹線の駅から10分足らずの距離にあるとは思えない。
※途中の堰にて
※水がきれいだね
名水百選に選ばれているが、水を汲める場所はなかった。
まぁ、川の水をそのまま飲むのはよくないけどね。
夫婦滝(めおとだき)と雄滝(おんたき)
そして夫婦滝と雄滝が見えてきた。
2つの滝はほぼ連続しているのだが、大きいので1枚の写真に納めるのは苦労した。
滝見台が整備されていて、落ち着いてみることができた。とはいえ、あまりにも整備されているので、水に触れたり、滝に近づけないのは残念だったかな。
※奥が雄滝(高さ43m)、手前が夫婦滝(高さ9m)
雄滝は多段だが、荒々しくはなかった。かといって、おとなしいわけでもない。なにをもって「神滝」と呼ぶのかはわからないけど、不思議な印象の滝だった。
※下側にあるのが夫婦滝
※上から雄滝を見下ろす
布引の滝の先には、日本最古のコンクリートダム・布引五本松ダムがある。ここで引き返すのはもったいない。私たちはさらに山道を登っていった。
◎
布引展望台
渓流から離れ、山道をしばらく歩くと展望台に出た。
布引展望台である。
近くに道路が走っている。だいぶ山を登ってきたつもりだが、市街地はまだ近いようだ。
※神戸市街を見下ろせる
※危険な相手にエサを与えないと思うが...
猿のかずら橋
布引渓流にも「かずら橋」が架かっているというので、立ち寄ってみた。
遠目にはツルの橋に見えるが、近寄ってみると鉄橋にツルを巻き付けてあることがわかる。ツルは本物だが、まだ橋と一体化するほどの年月を経ていない。
※猿のかずら橋
調べてみると、かずら橋ができたのは2005年で、つい最近だった。
徳島県の「祖谷のかずら橋」をモチーフに、六甲山のツルで装飾したものだった。なるほどね。今はまだ人工的な感じがするけど、何十年も経てば立派なかずら橋になっているかもしれない。
※太陽に重なるゴンドラ(新神戸ロープウェイ・神戸夢風船)
疲れがたまってきたころ、布引五本松ダムが見えてきた。