渋谷の電力館 / 無料の功罪
2007年 東京都:新宿副都心 博物館 建物:ショールーム渋谷の「電力館」と「たばこと塩の博物館」を見てきた。
どちらの施設も名前だけは知っていた。たぶん、初めて渋谷に来たときに地図で名前を見たと思う。「へぇ、渋谷にも博物館があるのか。いつか行ってみよう」と思っていたが、訪れるの十数年もかかってしまった。
子ども向けの施設だった
まず目指したのは電力館。丸いドーム(イベントホール)を載せた8階建てのビルだった。8月に訪れたTEPCO銀座店と同じく、東京電力のPR施設。TEPCO渋谷店ではなく、電力館と呼ぶようだ。やはり入場無料。
※渋谷の東京電力館:未来的な外観
中2階に「よこがおテイクアウト」なるコーナーがあった。レーザー光線で横顔のシルエットをカットして、ブッククリップ(しおり)を作ってくれるのだが……うまく作れなかった。スキャン範囲が狭く、大人が座るとシルエットが飛び出してしまうのだ。
このとき気がついた。ここは子ども向けの施設なのだと。
※よこがおテイクアウト
電力関係の展示はおもしろかった
エレベーターで7階にあがって、展示を見ながら降りてくる。子ども向けの施設だが、発電や送変電に関する展示はおもしろかった。
※関東地方の電力供給ネットワーク
※奥に見えるのは火力発電のタービン
※1/3の原子炉モデル
※地下ケーブルの構造モデル
テーマは大きく、曖昧に
6階、5階と降りると、テーマは地球環境やサイエンスと広がっていく。その分、電力との関係性は曖昧になり、体験学習コーナーに目を奪われる。私も途中で見かけた積み木に集中してしまった。
※ただの木のパズルに熱中する
無料は是か非か?
4階は実際の家電製品を、3階はリラックスカフェになっていた。あまり興味がないので素通りする。あっけなく見終えてしまった。展示は充実してるのに、今ひとつ集中してなかった気がする。
──無料だからだろうか? 無料だと気軽に入れるが、ありがたみも減ってしまう。そのくせ施設は立派で、フロアごとコーナーごとにお姉ちゃんが配置されているから、「東京電力は儲かってるなぁ」とか思ってしまう。100円でも入場料をとった方が、よりよくピーアールできるのかもしれない。
※アルファ波を出した方が勝つゲーム
まぁ、ずっと懸案だったポイントを見られたので、私は満足だった。次いで、たばこと塩の博物館に向かった。
(追伸)
原発事故の影響で、電力館は2011年5月31日をもって閉館した。勤務していた人たちはどうなっただろう?