トラピストビールの世界 / 世界の酒とチーズフェスティバル
2007年 東京都:都心部 国:ベルギー 酒 酒:ビール「世界の酒とチーズフェスティバル」で私は3本のトラピストビールを買った。
トラピストビールは、トラピスト会修道院で作られる上面発酵ビール。ランビックビールなどとは違って、製法より由緒に重きが置かれているので、あまり注目してこなかった。しかしフェスティバルで店員さんの説明を聞くうちに興味が湧いてきた。
今まで飲んできたトラピストビールは下記のとおり(記憶しているかぎり)。
- シメイホワイト(La Chimay Triple)
アルコール度数8%。私の考えるトラピストのスタンダード。飲んだのは数ヶ月前なので、ホワイトエールと印象がかぶっている。
- シメイレッド(La Chimay Rouge)
アルコール度数7%。シメイホワイトよりあっさりしてるが、コクがある。すっと飲めて、ぎゅっと喉に残る。
- シメイブルー(La Chimay Bleue)
アルコール度数9%。シメイホワイトより苦く、どっしりした味わい。シメイ兄弟ではもっとも渋い。
- オルヴァル(Orval)
アルコール度数6.2%。シメイホワイトを煮詰めた感じ。いろんな雑味が混ざっているが、どれも飛び抜けておらず、なんとも形容しがたい。飲むたびに首をひねる。
トラピストビールの世界をもう少し広げてみよう。
ロシュフォール6(Rochefort6)
アルコール度数7.5%。
「トラピストでもっともフルーティなビールはなに?」と訊ねたところ、これをすすめられた。
──で、飲んでみる。
む、これを甘いと言えるのか? 甘いと言うより薄い。薄いけど苦い。甘い香りはする。ランビックの甘さとはまるで違う。そうか。「フルーティな」という表現は必ずしも「フルーツ味」ではないのだ。
※甘さの定義がちがった
ロシュフォール10(Rochefort10)
アルコール度数11.3%。
「トラピストでもっとも強いビールはなに?」と訊ねたところ、これをすすめられた。ロシュフォール三兄弟(6、8、11)の長男である。末弟6をフルーティと称していたので、11が強いのは意外だった。店員さんによると、三兄弟は度数の強弱だけでなく、それぞれ風味が異なるらしい。
──で、飲んでみる。
くはっ、これはキツイ。言われてみれば、ロシュフォール6の系統なんだけど、重さがまるでちがう。風味的には ヒューガルデン 禁断の果実(De Verboden Vrucht)に近い。アレより飲めるけど、飲みやすいわけではない。そして酔う。意識しているせいか、酔いが早い気がした。
※ずしりと重たいパンチ
グーデン カロルス クラシック(Gouden Carolus Classic)
アルコール度数8.5%。
「これ、気に入った」と嫁が言うので買ってみた。
──で、飲んでみる。
まぁ、ちょびっと試飲するとのグラスで飲むのはちがうな。試飲で感じた香味や、ほどよいコクも、グラスだと増幅されるようだ。ロシュフォール兄弟より飲みやすいけど、やはりコクは強い。
※豊かな香味とコク、と書くとそれっぽいけど飲めばわかる
トラピストビールは、飲んでると眠くなるな。
- 度数が高くてコクがあるから、一気に飲めない。
- ちょびちょび、時間をかけて飲むことになる。
- アルコールがじっくり回って、眠くなる。
という仕組みなんだと思う。
なんとなくトラピストビールの傾向がわかってきた。ベルギービールの本や批評を読むと、トラピストビールを絶賛する人が多い。しかし私の好みとしては、ちょっと苦手かな。
……と思ったら、カロルス クラシックはトラピストビールじゃなかった。
むむぅ、もう少し勉強が必要そうだ。