塔のへつり / 河食地形の特異例
2007年 福島県 #福島ぶらり旅 山・渓谷 景勝地たくさんの寄り道を経て、塔のへつりにやってきた。
駐車場には大型バスが停まり、観光客を吐き出している。年配の方が多いな。流れに身を任せて歩いていると、売店の裏に「塔のへつり」があることがわかった。
※新観光名所福島三十景
川の流れが生んだ奇観
塔のへつりは、渓流の流れによって削られた奇岩が連なる景勝地。河食地形の特異例として国の天然記念物に指定されている。「百万年の浸食と風化によって」と案内されているが、根拠はあるんだろうか?
※渓谷に降りていく
※これが塔のへつりか
「へつり」は地元の方言で、険しい崖のこと。漢字表記(山の冠に弗)は難しすぎて、一部のPCでは表示できない。仏教用語と思っていたが、方言だったのね。
奇岩を塔にたとえるのは違和感があるけど、ほぼ垂直の屹立した岸壁は壮観だった。どことなく中国を想起させる。
原理がわかっても感動する
吊り橋で対岸にわたる。
見れば、川の流れで岩肌が浸食されたことはわかる。岩の成分によって、浸食の進み方が違うこともわかる。原理はわかるけど、実際にその場に立つと興奮するね。
※水の流れはゆるやか
※かつては、この高さに水が流れていたのかな
※静かな水面(みなも)
水の流れは静かだ。流れていないように見える。ゆるやかな水でも歳月をかければ岩肌を削るのか、古代は岩肌を削る勢いがあったが現代は落ち着いているのか、岩の成分が水に溶けやすかったのか......。不思議なもんだ。
対岸からの眺め
岩の亀裂に、祠が建っていた。虚空蔵菩薩を祀っている。かなり古い。昔の人は、どんな気持ちでここに立ったのだろう?
※象と獅子の木鼻がユーモラス
※対岸から橋を見下ろす
※写生する人たち
※吊り橋を挟んで、人間界と秘境が接しているようだ
観光地でもある
吊り橋をわたって、人間界にもどってきた。
こちら側は売店が多いね。りんご、柿、まつたけ、味噌、麩、切り干し大根などが売られていた。興味はあるが、今は買えない。たくさん買っている観光客は、このあと家に帰るのだろうか?
へつり味噌の汁を無料で配っていたので、一杯ごちそうになった。
※辛子大蒜味噌を入れるとピリ辛になる
ほんと、すぐそばまで人間界が浸食しているんだな。もはや秘境とは言えないが、おかげで車を降りて数分で観光できたわけで、別の意味でありがたい。
展望台から塔のへつり全景を撮影する。この視点も、現代人ならではだ。
※水が澄んでいるね
※こうして見ると塔に見えなくもない
■塔のへつり
[規模] 高さ31m
[住所] 福島県南会津郡下郷町
塔のへつりに満足した私たちは、次の目的地・大内宿に向かった。
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