駒場野公園 / 近代農学発祥の地
2008年 東京都:南部 公園旧前田侯爵邸を見るついでに、駒場周辺も散歩した。
このあたりは東京大学教養学部をはじめ、筑波大学附属駒場中学・高等学校(いわゆる筑駒)、駒場東邦、駒場高校など学校が多い。
まずは駒場野公園に立ち寄った。旧前田侯爵邸がある駒場公園とは線路を挟んで反対側にある。名前は似てるが、趣はまったく異なる公園だった。
※電車の窓から見えるケルネル田んぼ(後述)
自然観察の穴場
地図で見ると緑色に塗られてないので都市公園と思っていたが、昔ながらの自然林に覆われた緑の深い公園だった。池や起伏もある。宅地側にはプールもある。
自然観察舎の展示を見ると、多くの草木や野鳥を観察できるようだ。
※樹林でBBQを楽しむ人たち
駒場農学校の跡地
かつて、この一帯は笹に覆われた原野だった。
1878年(明治11)、この地に農業の近代化を図るために駒場農学校が開校した。クラーク博士で有名な札幌農学校はアメリカ農法を柱に据えたが、駒場農学校はドイツ農法に範を求めた。ドイツ人教師オスカー・ケルネルが着任し、土壌や肥料の研究で大きな成果を上げた。
※水田の碑:旧駒場農学校の一部であり、我が国の最初の試験田、実習田であったことを記している
ケルネル田圃
京王井の頭線の窓から見えた水田は、「ケルネル田んぼ」といって、日本初の実験水田。ケルネル氏の業績を称えて残された。畦に降りていくことはできないが、現在も筑波大学附属駒場中・高校生によって維持されている。
※ケルネル田んぼ
そして公園へ
その後、駒場農学校は東京農林学校→東京帝国大学→農科大学→東京教育大学農学部となり、1978年(昭和53)に筑波へ移転した。その敷地の一部が整備されたのが、駒場野公園である。
駒場野公園は、近代農学発祥の地だった。
歴史を紐解くと、いろんなことがわかるもんだ。
※園内の道
※自然観察舎の展示