東京復活大聖堂(ニコライ堂)を見学する

2008年 東京都:都心部 建物:教会 建物:近代遺産 社会見学
[WGS84] 35.69802, 139.765505 - Google Earthで開く(kml)

お茶の水にある「ニコライ堂」を見学してきた。

「東京文化財ウィーク2008」の一環として、ニコライ堂が特別公開されることになったのだ。ニコライ堂は教会だからいつも開かれているけど、私はクリスチャンではない。建物目当てなら、こういう機会に訪れた方がいいだろう。

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※聖橋(ひじりばし)から見えるニコライ堂のキューポラ

コンドル先生の作品

旧古河庭園旧岩崎邸庭園を見学して、お雇い外国人の建築家ジョサイア・コンドル氏(1852-1920)に興味をもち、その流れで「ニコライ堂」にたどり着いた。かつてお茶の水で働いていたが、ぜんぜん目に入ってなかったね。

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※お茶の水にひっそり佇む聖堂

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※小聖堂(亜使徒聖ニコライ記念聖堂):タマネギ型のドームが印象的

八端十字架(ロシア十字)

十字架が変わったカタチをしている。『SIREN』のマナ字架みたい。あとで調べたら、八端十字架(ロシア十字)と呼ばれるものだった。私たちのよく知るラテン十字のほかにも、多様な十字架があるようだ。
聖ニコライはロシア人修道司祭(のちの大主教)であり、ニコライ堂の基本設計をしたのはミハイル・シチュールポフというロシアの建築家だから、ロシアゆかりというわけだ。
建物見学すると、学ぶことが多い。

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※八端十字架(ロシア十字)

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※門に装飾された十字架も変わってる(ギリシャ十字?)

ほかの見学者とともに聖堂内に足を踏み入れる。聖堂内は撮影厳禁。結婚式等の特別な場合のみ許可されるそうだ。

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※フレスコ画「太初に言有り 言は神と共に有り」

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※いよいよ聖堂内へ

イコンとステンドグラスが美しい

天蓋は、外から見ると丸いが、内側は八角形になっている。先日の日本銀行旧館に似ている。重厚な壁に囲まれているが、天井が高いので圧迫感はない。正面にたくさんのイコンが飾られている(=イコノスタス:聖障)。ロープが張ってあるので近寄れないが、このくらいの距離で見るのが正しいのかもしれない。

撮影禁止
※たくさんのイコンが飾られている

四方に大きなステンドグラスがあって、淡い光を放っている。この輝きがとても印象的だった。ステンドグラスは平坦なモザイクではなく、人物が立体的に描かれているので、まさに聖者が灯りをもたらしているようだ。
壁の向こうに東京があるとは思えない。

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※外から見たところ

これまで訪れた教会とは、だいぶ雰囲気がちがう。いや、教会を訪れるたびに同じようなことを言っている。それだけ教会建築は多様で、私は物知らずなんだろうな。

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※日本最大のビザンチン式建築物

■日本ハリストス正教会教団復活大聖堂(ニコライ堂) (Holy Resurrection Cathedral in Tokyo)
[所在地] 東京都千代田区神田駿河台4-13
[連絡先] 03-3295-6879
[竣工] 1891年(明治24年)
[休み] 月曜・土日祝日
[料金] 拝観協力金(献金目安)300円
[URL] https://www.orthodoxjapan.jp/

当時をしのぶ

1891年の完成当初、駿河台は東京市中を見下ろす高台であり、近隣に高層建築もなかったことから、かなり遠くからも見えたらしい。
当時のお茶の水は、どんなところだったんだろう?

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※近隣の高層建築より撮影

イメージしていたのと、だいぶちがう。
しかし実物を見てしまうと、どんなイメージを抱いていたか思い出せなくなる。たぶん、いい経験をしたんだと思う。
東京のど真ん中にも、こんな建築物があったんだね。

関連:教会

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