一本柱鳥居、山王神社の大クス
2009年 長崎県 建物:社寺・史跡 狛犬・石狐チェックインまで時間がある。長崎市内を観光しよう。
長崎駅のコインロッカーに重たい荷物を詰め込んで、最初に向かったのは「一本柱鳥居」と「山王神社の大クス」。どちらも原子爆弾の災禍をいまに伝えるところだ。
てっきり長崎大病院の敷地内にあると思っていたが、警備員さんにまちがいを教えられる。ぐるっと坂道を登った先に屹立する一本柱を見つけた。
一本柱鳥居
1945年(昭和20年)8月9日、午前11時2分、原子爆弾の炸裂による爆風によって、爆心地から南東約800m離れた山王神社の社殿は倒壊、社務所は全焼、そして二の鳥居も片方の柱を失ってしまった。残った笠石の半分を、一本柱で60年以上も支えている。そんな鳥居の頑丈さに感嘆するとともに、そんな鳥居を破壊する原子爆弾の威力に戦慄する。
※あれが一本柱鳥居か
※現在も屹立する
すぐ後ろに、砕けた柱や笠石などが置いてあった。ちょこんと折り鶴が乗せてあった。雨に濡れてないから、いまも折り鶴を供える人がいるのだろう。
※倒れた柱:小さな折り鶴が乗せられている
※砕けた額
山王神社の被爆クス
一本柱鳥居から50mほどで山王神社の社殿に出た。
2本の大クスも原子爆弾の爆風で幹に大きな亀裂を生じ、枝葉が吹き飛ばされて丸裸になったそうだ。一時は枯死するかと思われたが、樹勢を盛り返し、現在は長崎市の天然記念物に指定されている。
近づいて見ると、幹のツギが痛々しかった。
※山王神社の大クス
※ツギがしてある
※一時は枯死寸前だったらしい
※山王神社の狛犬
ここが爆心地から800mか。
本やテレビで原子爆弾の災禍は知っているつもりだったが、現地に立つと感じ方が変わる。いまが8月でないことを、なんとなく感謝した。