グラバー園、くだれ
2009年 長崎県 ヘリテージング100選グラバー園には下(第1)と上(第2)の、2つのゲートがある。
第1から入れば、坂道を登るつらさはあるが、最後に見晴らしのいいところに抜ける爽快感がある。飯盛山のスロープコンベアや江ノ島のエスカーのような補助エスカレーターもある。
私たちは第2から入場して、下りながら見ていくコースを選んだわけだが、これはこれでよかったと思う。グラバー園の見どころを、上から順に紹介しよう。
旧三菱第2ドックハウス FORMER MITSUBISHI NO.2 DOCK HOUSE
「ドックハウス」とは修理のために船が造船所に入っている間、乗組員たちが宿泊した施設のこと。当時は何人くらいが同時滞在していたんだろう。大きく、立派な建物だった。
2階に手製の帆船が飾られていた。個人が寄贈したものらしい。こうして自分の作品が後世に伝えられるのはいいね。私もなにか作って、死んだらどっかに寄贈したい。
※大きく、立派な建物
※テラスからの眺め:グラバー園の建物は斜面に隠れて見えない
※対岸の長崎造船所に目がいく
※島流和砲
島流和砲は長崎が生んだ砲術家・高島秋帆指導のもと、鉄砲鍛冶・野川清造が製造したと言われる和大砲。パンフレットに書かれるほどだから本物なんだろうけど、ただの鉄のかたまりに見える。鋳つぶしたんだろうか。
※派手な絵
旧長崎地方裁判所長官舎 FORMER HOUSE OF THE PRESIDENT OF THE NAGASAKI DISTRICT COURT
※洋式建築を取り入れた官舎
旧ウォーカー住宅 FORMER WALKER HOUSE
※旧ウォーカー住宅応接室。
※明治時代の水道共用栓
消火栓のように見えたのは、水道の共用栓だった。
長崎市に水道が敷設されたのは1891年(明治24年)のこと。当時の水道は街路に立てられた共用栓であり、市街水栓番が朝水を出し、夕方に止めに回っていたらしい。水道は各家庭にひくものと思い込んでいたよ。
旧リンガー住宅 FORMER RINGER HOUSE
※木と石を使っている
※散らかったレコード
旧オルト住宅 FORMER ALT HOUSE
※長崎に残る石造りの洋風住宅の中で最も大きいもの
※140年前の建築とは思えない
※かなり広いお屋敷だ
※切妻づくりのポーチ
※裏手に見どころがある
※天然貯蔵庫:岩盤をくりぬいた天然の貯蔵庫。四季を通じて20℃前後を保っている。
※やや涼しい
※閉所恐怖症の嫁は入ってこない
※立てかけられたステンドグラス
旧スチイル記念学校 FORMER STEELE MEMORIAL ACADEMY
※東山手の丘に建てられたミッション系の学校
※フリーメイソン・ロッジ(集会所)の門
※日本最古のアスファルト道路
旧自由亭 FORMER "JIYU-TEI" RESTAURANT
※日本で初めて西洋料理のレストラン
旧グラバー住宅 FORMER GLOVER HOUSE
グラバーの名前は、『竜馬がゆく』や『おーい!竜馬』、『JIN -仁-』などで学んだ。幕末に活躍した貿易商であり、討幕派に武器や弾薬を販売している。1863年(文久3年)の建築で、日本最古の木造洋風建築になるそうだ。国の重要文化財にも指定されている。
※正面玄関を設けないクローバー型の建築
※グラバー自身が設計したらしい
※坂本龍馬も隠れた?
※レンガを敷き詰めた床
※ガラスケースの狛犬
※再現されたご馳走
※アイスクリーム製造器
※明治の昔もガラスで採光していたのかな
ハート型の敷石
園内の石畳の中に2箇所、ハート型の敷石(ハートストーン)が埋め込まれている。それらを見つけて、触れると恋愛が成就すると言われているらしい。まぁ、恋愛うんぬんはさておき、このハート型の敷石はわざと埋め込んだものだろうか? 2つともほどよい大きさで、ほどよい場所にある。見つけるのは簡単だけど、それでも見つけたときは感激するね。
※ハートストーン1
※ハートストーン2
長崎伝統芸能館 NAGASAKI TRADITIONAL PREFORMING ARTS MUSEUM
「長崎くんち」に奉納される龍踊りの白龍や青龍、各町の奉納踊りを先導する「傘鉾(かさぼこ)」などが展示されている。休憩を兼ねて、映画をしばし観賞。このとき、嫁がカメラを置き忘れて、あとで取りに戻るはめになった。
※長崎くんちの映画が上映されていた
帰り道には、観光客に襲いかかる山賊がいっぱいいた。店の前を歩く人を大きな声で呼び止めているけど、あれって効果があるのかな。私などは過剰にアピールされると、かえって嫌悪しちゃうけどね。
■グラバー園
[所在地] 長崎県長崎市南山手町8-1
[連絡先] 095-822-8223
[営業時間] 年中無休 8:00~19:40
[URL] https://www.glover-garden.jp/
※(グ)ラバー(園)
内容的には神戸の異人館、横浜の山手西洋館に類するが、長崎グラバー園がもっとも充実している。年中無休だし、急斜面にあるのにバリアフリーがほぼ徹底されているのもすごい。長崎市の力の入れようがうかがい知れる。おもしろかった。
このあと、私たちは大浦天主堂に抜けた。
グラバー園第1ゲートから出て坂道を下っていけば、すぐだった。