島原城 / 領主を滅ぼした城

2009年 長崎県 城・城址
[WGS84] 32.789208, 130.367315 - Google Earthで開く(kml)

日が暮れるまで、島原を歩いてみることにした。

あいにく雨がふりはじめたが、雨の島原も悪くはない。重い荷物を降ろしたので、身体が軽い。まず向かったのは、島原のシンボルである島原城だ。

島原城
※島原駅の正面に島原城がある

見事な石垣

近づくと、ぐるっと水堀に囲まれていることがわかる。天守閣だけ見てると、その広さを見誤る。堀の水はほぼ涸れており、小川が流れている程度。階段を下りると、堀を渡って城へ行けるようだ。
天守閣は復元されたものだが、石垣と堀は約400年前の築城当時の威容を残している。石垣を見るたび同じ感想で恐縮だが、よく造ったなぁと感心させられる。

島原城
※堀に囲まれた島原城

島原城
※堀の中を歩けるようだ

島原城
※立体的な道のり

島原城
※梅の花が咲いていた

島原城
※天守閣が見えてきた

身の丈に合わぬ城

築城当時、島原藩は約4万石の小藩だった。にもかかわらず初代領主・松倉重政は、巨大で、壮麗な城を求め、領民に過酷な労役と重税を課した。これが島原の乱の一因になったと言われている。
島原の乱は幕府によって鎮圧されるが、その責を問われ松倉氏は改易、二代目当主・勝家は斬首される。当時、大名が切腹ではなく斬首とされるのは極めて異例だった。
島原城には一揆に対抗するための工夫が凝らされていたが、城を造ったことが一揆を招き、さらに一族を断絶させてしまうのだから、皮肉な話だ。

島原城
※雨の城

島原城
※中が見えちゃう

復元された天守閣は、資料館になっている。入ろうかと思ったが、もうすぐ閉館なので見合わせる。翌朝にも訪れるが、今度は開館時間前で入らなかった。まぁ、いいか。これは天守閣の形をした鉄筋コンクリートのビルなのだ。
天守閣はともかく、民具資料館(丑虎の櫓)、西望記念館(巽の櫓)は見たかったかな。

島原城
※この道は石垣を削って作ったそうだ

島原城
※堀の外へ

夜の島原城

姫松屋本店で貝雑煮を食べたあと、夜の島原城を見学する。

島原城
※ライトアップされている

島原城
※駅前から見た島原城

朝の島原城

翌朝、湧水めぐりのあいまに島原城に立ち寄る。

島原城
※朝の堀

島原城
※朝の城

島原城
※翌朝、島原城から見た島原駅

秘められた歴史はともかく、絵になるお城だった。