強烈なギトギト / じょっぱりラーメン
2012年 東京都:池袋副都心 ラーメン嫁が帰ってくる前に、もう一杯くらいラーメンを食べておこう。
朝昼を抜いてコンディションを調整し、赤塚駅ちかくの「じょっぱりラーメン」に向かった。ここも食べログで検索したところ。駅には近いが狭い裏通りにあるため、事前調査がなければ見つけられなかっただろう。
が、店が閉まっていた。食べログには18時開店とあったが、実際は19時だったようだ。なんと。ほかの店にするか迷ったが、まぁ、30分ほどなので散歩して待った。結果、この日最初の客になった。
※東武東上線
※じょっぱりらーめん
「ここはただのラーメン屋だよ! すごいものはないよ!」
シャッターが開く前から待っていた私に、店主が念押ししてきた。「わかってますよ」と答える。どうやらラーメンブームで注目され、過剰な期待をもって訪れる客に辟易しているとか。私もネット情報を見て訪れているから、少なからず期待はある。しかし期待を外したところで、店主に当たることはないだろう。いや......ネットには書くかもしれない。店主はそれを見て、「ただのラーメン屋なのに勝手に期待して、勝手に落胆して、困ったもんだ」と思ったのかもしれない。にわかにファンが増えると、そうした軋轢もあるだろうな。
※店内
店主はおしゃべりで、自分の信条や店の由来をあれこれ話してくれた。修業時代の話などは興味深かった。鍋が温まるまでのあいだも退屈せずに済んだ。
「じょっぱり」は環七にあった「土佐っ子」の流れを汲む店で、濃厚な醤油ダシを使った背脂たっぷりのトンコツ醤油ラーメンが人気だとか。私は基本の醤油ラーメンを注文したが、ほかの客はみなチャーシューメンを注文していた。
いつもはシンプルに徹する私だが、今回は「背脂たっぷり」とオプションオーダーした。果たして運ばれてきたラーメンは、すさまじく背脂たっぷりだった。表面に油の層ができている。ギトギトのギトギトだ。レンゲを沈めると、下に醤油スープが隠れていることがわかる。混ぜなければ危険だ。
※醤油ラーメン(600円)
※ギットギト
味は......きわめて濃厚。つぶつぶの背脂は気にならないが、醤油ダシが強すぎる。ノドが灼ける。ごはんがほしい。あるいは替え玉プリーズ! だが、ここは水にしておこう。ぐびぐび。
あきれるほど濃厚だが、うまかった。スープも飲み干すところだったが、かろうじて残っていた理性が手を止めさせた。スープを残したまま席を立つのは気が引けたが、帰り道に自転車を漕いでるときは、もっと早く席を立つべきだったと後悔した。
その日はなかなか寝付けず、翌日は夜遅くまでなにも食べられなかった。
ひとりで反省会
25日夜に、嫁が帰ってきた。これで15日間にわたる孤独のグルメウィークは終了だ。なんとあっけない。まだ何軒か、食べてみたい店が残っていたのに。まぁ、やむなし。
振り返ると、全般的に食べ過ぎていたように思う。最初のころは朝食を食べていたし、食事の時間も一定だったが、だんだんズレていった。自分を律しきれなくなった、と言うべきか。
現代社会は便利なもので、いつでも、好きなものを食べられる。買い物や調理、後片付けと言った制約がなくなると、自分を止められるのは自分だけになる。「ないから我慢」ではなく、「あるけど不要」の制御ができないと、崩れるのは早い。
今回は「自炊ナシ」と決めていたが、来年に嫁が帰省したら自炊生活をしてみるか。