禁断の孤独のグルメごっこ / 新丸子「三ちゃん食堂」

2013年 神奈川県 中華
[WGS84] 35.58094, 139.6612 - Google Earthで開く(kml)

 「孤独のグルメ」を見て一番やっちゃいけないことは、紹介された店に多人数で行くことだ。

 知らない町で、知らない店に、独りで入るのは、相当な勇気がいる。アクシデントやミスも多いが、独り飯ならではのロマンがある。ここが原作漫画の魅力だった。

新丸子 三ちゃん食堂
新丸子 三ちゃん食堂

 テレビドラマは実在の店舗を紹介するため、独り飯のマイナス要素は描かれない。するとなんのリスクもなく、おいしいものを食べ歩けるように見えてしまう。で、浮かれた客がつるんで押しかけ、ゴロー気分にひたって、ネットで自慢する。
 もうね、アホかと。馬鹿かと。
 テレビの主旨に踊らされ、原作の主旨に反することをするな。ミーハーめが!

新丸子 三ちゃん食堂
新丸子 三ちゃん食堂

なんだけど、やってしまった

 土曜日はMicheさん、boulifaさん、私の3人で集まって、孤独のグルメで紹介された店に行き、昼間っから呑んでしまった。訪れたのは、シーズン2の第1話で紹介された新丸子「三ちゃん食堂」。ここは「吉田類の酒場放浪記」でも紹介されている。

 Micheさんは20年ほど前、この界隈で仕事をしていたそうだ。三ちゃん食堂にも行ったことがある。当時はランチ目当てで、昼間から酒が飲める店とは見ていなかったとか。テレビで紹介されて驚いたことが、この会合のキッカケ。
 しかし私とboulifaさんは初めての土地である。テレビで紹介された町並みを歩いて、テレビに映っていたとおりの店を見つけ、キャーキャー騒ぐ。恥ずかしいおのぼりさんだった。

新丸子 三ちゃん食堂
※おおー、テレビで見たとおり

新丸子 三ちゃん食堂:店内

※新丸子 三ちゃん食堂:店内

新丸子 三ちゃん食堂
※かんぱーい♪♪♪

やるときはやる

 当然、最初に注文するのは「ネギ肉イタメ」だ。恥ずかしすぎる。出てきた料理を3人で写真に撮り、あまつさえ原作漫画を添えてしまう。顔から火が出そうだったが、中途半端は許されない。

新丸子 三ちゃん食堂
※恥ずかしい撮影会

新丸子 三ちゃん食堂
※恥ずかしい記念撮影

うまいよ

 電車の中でiPhone動画で予習してきた。どんな味かはわかってる。しかし食べてみると、本当にゴローが言ったような味だった。なのに楽しい。

「しょうが焼きとか、オイスターソース系を想像していたんだが、こう来たか。んー、んんー。飯に合うぞぉ。やっぱり、このくらいパンチがなくちゃ、パシリ根性が出ないってもんだ」

(ゴロー談)

「ド直球の中華だ。中華の脇役はこういうのでいい。いや、こういうのがいい。エビ、イカ、タコ、カニ。こんだけ入って、2本300円。いーじゃないか。自由に、思うままに。この店、中華の店なのにノリはまるでラテン系だ」

(ゴロー談)

新丸子 三ちゃん食堂:ネギ肉イタメ
※ネギ肉イタメ:これだ! と思える味

 さらに吉田類さんが注文したレバーショーガも食べた。これまたうまかった。
 呑んで、食べて、呑んで、食べて。
 しっかりしたランチを食べながら、ビールやハイボールを痛飲する。
 うまい。やばい。クセになりそう。

新丸子 三ちゃん食堂:レバーショーガ
※レバーショーガ:しっかりした味わい

「そっちに行くのもよかったなー」

 白米を食べるかどうか、ずっと悩んでいた。食べたいけど、食べたら宴が終わってしまいそう。しかし劇中のゴローじゃないけど、ほかの客がもりもり食べているのを見て、がまんできなくなった。
「いいよね、いいよね? いっちゃって、いいよね!」
 私に問われ、止めるような人はいなかった。

新丸子 三ちゃん食堂:ヤキ肉ライス
※ヤキ肉ライス:ごはんが、う、うまいの

 丼を食べるつもりが、まちがえて「ヤキ肉ライス」を注文してしまった。ボリュームたっぷりの白米に圧倒される。
 取り分けて喰う。
 うまい。特別な米じゃないだろうに、なんでうまいのか。これはアレだ。大衆食堂のごはんだ。この店で食べるにふさわしい、ほかほかごはん。肉だけでなく、タレとマヨネーズのしみたキャベツも、ごはんがススムくんだ。うほほ♪
 しかし食べ終わると、一気に酔いが回った。胃の中で白米からアルコールが醸造されたみたい。まだ飲める、まだ食べられると思っていた余力がなくなってしまった。

食堂で飲む楽しみ

 食堂なので、とてもうるさい。3人で会話しても、聞き取れないことが多々あった。相手の話すことがだいたい予測できる間柄でないと、ここで呑むのはオススメしない。言い換えると、話なんかどうでもいい人たちに向いている。

 隣に座った老人のタバコがつらかった。独りで食事しながら、タバコを吸っている。話しかけようかと思ったが、3人なのでやめた。独り酒だったら、どうなっていただろう?

 昼過ぎは子どもが多かった。つぶらな瞳で見つめられると、昼間からビールを飲んでいる自分が恥ずかしくなる。酔っぱらう大人や老人を、あの子たちはどう見てるんだろう?
 15時を過ぎると若者が増えた。大盛りの丼をがんがん食べている。うらやましい。大半の客は入れ替わるが、ずっと居座る客もいる(私たちも)。不思議な空間だった。

 13時から飲みはじめ、16時半に離脱する。お会計は1人あたり3,300円。二次会に行けなくなるほど酔っぱらい、晩飯が入らないほど食べたのに、安い。安すぎる。困ったもんだ。

 孤独のグルメごっこ。
 楽しかったです。すみません。

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