猿島 / 無人島に残された戦争遺跡

この記事は約4分で読めます。

最初の目的地は猿島。
「東京湾唯一の自然島」と称されるが、「自然島」の定義はよくわからん。縄文・弥生時代から人が住んでいて、日蓮上人も訪れたと言われる猿島だが、幕末から戦前にかけては東京湾の首都防衛拠点となり、要塞・砲台が築造された
現在は海水浴やバーベキュー、釣りのスポットとして有名。
目的はもちろん、軍施設の遺構見学だ。
無人島・猿島へ
※約1.75km向こうに猿島が見える
三笠公園(戦艦三笠保存地)から猿島へ連絡船が出ていて、往復料金は通常1,200円。しかし「よこすかカレーフェスティバル」のある日は半額(600円)になる。この機会を見逃すわけにはいかない。
連絡船は1時間ごとに往復している。猿島での寝泊まりは禁じられているので、最後の1人が島を出るまで船は往復する。コストは人数にあまり左右されないから、今日のように乗客が多くなる日は料金を安くしてくれるのか。
無人島・猿島へ
※あれが猿島だ!

そして上陸

10分ちょっとで猿島の上陸。時間は短いが、久々の船に興奮するね。
猿島は無人島だが、海の家や売店、管理事務所などは建っている。まずは情報収集。トイレの水はペダルで流すようになっていた。
無人島・猿島へ
※水没しそうな桟橋
無人島・猿島へ
※海の家とタブの原生林

猿島の要塞

(遺構があるといっても、ごくわずかだろう)
と思っていたが、そうでもない。長く一般人の立ち入りが禁止されていたこともあって、保存状態はむしろよかった。露天堀り幹道なんかは、感動するスケールだったよ。
無人島・猿島へ
※島の中央を走る露天掘り幹道
無人島・猿島へ
※立ち入れないところは封鎖されている
無人島・猿島へ
※この奥に入ってみたいか? うーん…
猿島要塞には露天堀り幹道を軸に、弾薬庫3棟、兵舎2棟、司令部や弾薬庫が12室があったらしい。関東大震災で埋まってしまったところもあるので、すべてが公開されているわけではない。もしかすると、どこかに秘密の入り口があるかもしれない……。
しかし未整備の遺構に入ろうとは思わない。崩落の危険だけでなく、空気が淀んでいたり、虫や蛇などがいっぱい棲んでいることもある。遺構にはロマンがあるけど、それ以上に危険もあることを、最近、わかるようになってきた。
無人島・猿島へ
※このあたりは築城のノウハウなんだろうか?

124年前のトンネル

島内には3本のトンネルがあって、ふつうに通り抜けられる。
1884年(明治17年)に造られたもので、レンガのアーチ造り洋式トンネルとしては東海道線逢坂山トンネル(現在は使用停止)に次ぐ歴史を持っている。中を歩けるという点でも、貴重な場所かもしれない。
無人島・猿島へ
※レンガのアーチ造り
無人島・猿島へ
※フラッシュを焚くと怖くなる
向こうが見えているし、空気も流れているから、吉見百穴のような閉塞感はない。
しかし日が暮れたら、猛烈に怖そうだ。
無人島・猿島へ
※脇道もあるが、入れない(入りたくない)

日本では数少ないフランス積み

猿島にある要塞のほとんどは、フランス積みのレンガで造られている。
レンガの積み方には「フランス積み(フレンドル積)」と「イギリス積み」があって、国内でフランス積みの建物は数えるほどしか残っていないそうだ。見てみると、なるほど一列に長短が組み合わされている
レンガの積み方なんて見てこなかったけど、そんな違いもあるのか。
無人島・猿島へ
※これがフランス積みか
猿島のレンガは、愛知県の旧武士たちによって造られたそうだ。100年以上、それも関東大震災にも耐えて現存しているのだから、すごいな。幕末から明治にかけての日本人のパワーに敬服するよ。
無人島・猿島へ
※電気灯機関車(明治28年):ここだけイギリス積み

1時間? 2時間?

あちこち見ていたら、船の時間が近づいてきた。
島を1周・1時間で帰るつもりだったが、惜しくなったので2周・2時間、見てまわることにした。古い建築物や写真、原生林などに興味がない人は、さらっと1周・1時間で十分だと思う。
2周目は宝探しオリエンテーリングに参加して、島内に隠された4つのキーワードを集め、飴玉をもらったよ。
無人島・猿島へ
※この下に日蓮洞窟(古代住居跡)がある
無人島・猿島へ
※釣りを楽しむ人たち
無人島・猿島へ
※砲座跡:さすがに大砲は残っていない
無人島・猿島へ
※海岸線の石積み:ちゃんと残っているものだ
無人島・猿島へ
※ここに大砲があったのか

■猿島 (Sarushima fortress)

[所在地] 横須賀市猿島

[TEL] 046-825-7144

[面積] 5.5ha

[海岸線長] 約1.6km

[最高標高] 39.3m

[URL] https://www.sarusima.com/

東京湾の要塞

東京湾を外敵から守るべく整備された要塞は、猿島だけではない。
海上に人工的に島を造って、砲台を設置した「第一海堡」「第二海堡」「第三海堡」がある。第三海堡は撤去されてしまったが、第一と第二海堡は残っている(上陸はできない)。猿島からも見えるはずだが、曇っていて影しか見えない。やはり富津岬からでないと駄目かな。
今度、富津岬に行ってみよう
無人島・猿島へ
※さらば猿島!
三笠公園に戻ると、すでに人がいっぱいだった。
私たちは「よこすかカレーフェスティバル」に突入した。

タイトルとURLをコピーしました