「フランス大使館にいってみないか?」
というメッセージがA氏から届いたのは10日前。
広尾にあるフランス大使館が解体されることになったので、せっかくだから建物に現代アートを集結させ、最初で最後の一般公開をやることになったらしい。
こーゆー気質を、「フランス人らしい」というのだろうか。
■NO MAN’S LAND 創造と破壊@フランス大使館
[期間] 開催中~2010年1月31日(日)
[場所] 在日フランス大使館 東京都港区南麻布4-11-44
[交通] 東京メトロ日比谷線「広尾駅」1番出口より徒歩7分
[時間] open.10:00~18:00(木・日) 10:00~22:00(金・土) 月~水休
[料金] 入場無料

※旧フランス大使館:手作りの門、壁のペイント、屋上にも装飾品が見える
最終日に直撃
もっと早く行くつもりだったが、訪れたのは最終日の1月31日。昼過ぎに到着したけど、けっこうな混雑。しかし期間延長が決まったらしいので、あわてる必要はなかった。ちぇ。

※鉄格子の門:建物内部にも鉄格子が散見された

※ようこそ、ノーマンズランドへ
はじめてのフランス大使館
旧フランス大使館が建設されたのは、1957年。直線を多用したモダンな建物だが、壁の厚さや階段の造りに古さを感じる。頑丈そうだが、それゆえ老朽化が怖い。思っていた以上に建物も敷地も大きかった。広尾の閑静な住宅地に、これほどの規模の大使館があったとは。
(大使館って、何人くらいが働いていて、どんな仕事をしてるんだろう?)
(新しい庁舎は、ここより広いんだろうか?)
はじめての大使館に興味津々だが、すみずみまでアートに浸食されているので、建物を見学できる雰囲気じゃなかった。

※学園祭のような装飾

※装飾される前はどんなところだったんだろう

※ところどころに鉄格子がある
好き勝手にやりまくった世界
私が体験した現代アートと言えば、六本木ヒルズの森美術館や、廃校舎を利用したD-秋葉原テンポラリーくらいか。しかし大使館に展開した「No Man’s Land」は、それとは比べものにならないほど爆発していた。
なんせ解体される建物だから、壁や床にもペイントできる。大量の廃材があるから、オブジェもいっぱい作れる。後始末も、長期保存も考えなくていい。
建物を利用した現代アートというより、アーティストたちが建物で好き勝手に遊んだような印象だった。

※元に戻せない本気ペイント

※屋上にあふれる装飾品

※この階段は通行止め
わかるもの、わからないもの
すべての部屋を訪れ、すべての作品を鑑賞した。気になったものはパンフレットにも目を通した。しかしまぁ、すべてを理解できたとはいえない。アートだからね。ただ、刺激は受けた。
自分ならどのように装飾するか? どんなメッセージを込めるか?
そんなことを考えながら歩いた。

※佐藤雅晴「calling」/印象的だった

※よくわからん

※掘り起こした土もアート
まちがった想像をするもよし
この惨状(?)を見て、フランス大使館の仕事を想像することはできない。まぁ、大使館の仕事を想像できるようなものを残しちゃ駄目なんだろうけどサ。それでも大使館に入ったのだから、アート情報を脳内除去して、この部屋がなんに使われていたのか想像してしまう。
こうした思考が、アートの楽しみを阻害している反面、逆に、まちがった想像をさせるような作品もあった。

※鼻血?

※羊の群れ

※むぅ
部屋をのぞく楽しみ
部屋ごとに装飾がまったく異なるので、のぞくたびに驚いたり、戸惑ったり、あっけにとられたりする。怖がらせないお化け屋敷のようだ。「アート」と銘打たれると構えちゃうけど、「アトラクション」と思えば楽しめるかもしれない。

※綿に埋もれたテレビが、えんえん愛を囁いている

※赤い部屋

※なにもない部屋

※15時ごろの混雑
3時間後、私たちはフランス大使館をあとにした。
A氏は満足して、嫁は退屈しきっていた。この3人がそろって楽しめるイベントはなかなかないね。