2010

ショートショート

第89話:とあるオタクの会話

「ナマの女って、そんなにいいもんかね...」  コイツは藪から棒になにを言い出すのか。  さいわい午前中のファミレスに客は少なく、ぼくら会話に注意を払うものはいなかった。そんな時間になにをしているかと言えば、大学を自主休講して、イベントの前...
ショートショート

第88話:遺産相続

「カナちゃん、わしの遺産を継いでくれんか」 驚くか、喜ぶところを期待したが、カナちゃんはこっちを見もせずに断った。「あのね、私は遺産目当てで介護してるんじゃないの」 テキパキ部屋を片付けていく。「しかしな、わしの遺産はそれなりの規模だぞ。わ...
ショートショート

第86話:邪教の村

「全部、私が悪いんです」  保護された少女は、そう言って泣き崩れた。  彼女をパトカーまで連れていって、後部座席に座らせる。まだ恐怖による興奮がひどいので、ドアは開けておいた。  次々にパトカーや救急車、消防車がやってきて、わらわらと村に突...
ショートショート

第85話:私はここにいる

宇宙船が燃えている。 起こるはずのない事故が起こってしまった。絶対不変の船体に、赤黒い腐食が広がっていく。基幹部を守るため、まだ乗員が残っているブロックも切り離した。ポロポロ崩れていく宇宙船は、骨だけになった魚のようだ。身も内蔵も捨てて、私...
ショートショート

第84話:顔と名前とココロの不一致

「たとえ姿形は変わっても、あなたはシュウジさんです!」 病院のベッドで目覚めたぼくを、2人の美女が迎えてくれた。黒髪で和服の似合うスミレさん、茶髪ショートヘアのアカネちゃん。2人はぼくの姉と妹らしい。 タンクローリーとの衝突事故でぼくは焼け...
ショートショート

第83話:トリフィドの涙

「ユミさん、今日は包帯を外しますよ」 医者の声に身が震えた。この2ヶ月、私の視界を覆っていた包帯が、はらり、はらりと解かれていく。ふたたび目蓋を開いたとき、世界は何色に見えるだろう?「緊張しなくても大丈夫。治療はうまくいきましたから」 やさ...
ショートショート

第81話:魚心あれば水心あり

「ケンジくん。悪いね、草むしりなんかさせちゃって」 主任が申し訳なさそうに声をかけてきた。ぼくより年下で、ぼくより低学歴だが、この会社では先輩であり上司だ。「いえ。なんでもやりますよ」「そう? じゃ、次は倉庫の片付けもお願いできるかな?」 ...
ショートショート

第82話:お酒のチカラ

「嫁の浮気相手は、ぼく自身なんだけどね」 数年ぶりに再会した学友・シンジは、なにやら重い悩みを抱えていた。妻・エリコさんが浮気しているそうだが、話がよく見えない。「ちょ、ちょっと待ってくれ。最初から説明してくれ」 夫婦の問題を話すことにシン...
ショートショート

第80話:忌門箱

(この箱を開けると、世界が閉じると言われている) 机の上にあった小箱を見て、教授の言葉を思い出す。 教授は『忌門箱』と呼んでいた。寄木細工の秘密箱に似てるけど、もっと重くて、もっと複雑。たくさんの漢字が刻み込まれていて、オカルトに詳しい人な...
ショートショート

第79話:新型メタボ対策

「カズオさん、起きてください!」 いきなり布団を剥ぎ取られ、ぼくは床に転げ落ちた。 窓が開いていて、冬の寒気に体温を奪われる。ぼくはベッドに戻ることも、布団を取り戻すこともできず、「ひぃぃ」と叫んで丸くなった。「こ、こらッ! シズ!」 朝焼...
ショートショート

第78話:ブリガドーンの約束

「ま、待ってくれ! まだ地球を破壊しないでくれッ!」 たまらず、おれは祭壇の前に飛び出してしまった。 ゆらゆら詠唱していた人影が、ぴたりと立ち止まる。振り向いたローブの中には3つ、4つ、7つの目が光っていた。 ごくり、と喉が鳴る。「おまえは...
ショートショート

第77話:ママの野望

「あなたは娘の幸せを考えてないの?」 夜、娘の進路について話をしていたら、嫁の「スイッチ」が入ってしまった。いわゆる説教モードだ。こうなると手に負えないが、かといって黙っていると際限なくヒートアップして、嫁自身も後悔する結果になる。 破たん...
ショートショート

第76話:ストーカー被害

「最初は、配達ミスだと思いました」 語りはじめたクミコは、30代半ばのOL。仕事一筋に打ち込んできたので、独身・独り暮らし・彼氏ナシ。「女性の社会進出」の最前線で戦って、気づいたら孤立していたってタイプだ。 そこそこ整った顔立ちだが、なんと...
ショートショート

第75話:恐怖の引き継ぎ

「ハードな仕事だって、言っておいたよね?」 着任早々、一ヶ月で辞めたいと言い出した若者に、私は強い口調で言った。 若者は「すみません」を繰り返すばかり。これまで辞めていった多くの若者と同じように、説明も弁解もない。これじゃ話にならない。「理...
ショートショート

第74話:さまよえる生き霊

「おまえ、まだ生き霊に悩まされているのか?」 げっそり痩せた同僚のタカミチを見て、おれは心配になった。大丈夫と答えるが、ぜんぜん大丈夫じゃない。いまも会議中に倒れたので、休憩所に運んできたところだ。 タカミチはいわゆるプレイボーイで、浮いた...
考える

鈍感なカエル、敏感なカエル

むかし、同僚から「ゆでガエル」の話を聞いた。ゆでガエルカエルを熱湯に入れると、ただちに飛び跳ねて脱出するが、冷水からゆっくり温めていくと、温度変化を知覚できず、茹で上がって死んでしまう。この寓話は、ビジネス環境の変化に対応することの重要さ、...
考える

昔話、大好き

筑波大学の調査によると、最近の子どもは昔話を知らないそうだ。『桃太郎』が鬼退治のときに腰につけていたものは?(答え:きびだんご)『浦島太郎』はだれの背に乗って竜宮城へ行った?(答え:亀)不意に質問されると困惑するが、ちょっと時間があれば思い...
考える

昔話、大好き

筑波大学の調査によると、最近の子どもは昔話を知らないそうだ。『桃太郎』が鬼退治のときに腰につけていたものは?(答え:きびだんご)『浦島太郎』はだれの背に乗って竜宮城へ行った?(答え:亀)不意に質問されると困惑するが、ちょっと時間があれば思い...
考える

やはり公衆自殺機械は必要か

木城ゆきと著の『銃夢』第9巻に、最終喜械(エンドジョイ)という装置が出てくる。 理想都市ザレムにある屋外建物で、公衆トイレに似ている。ときどき人が入っていくが、誰も出てこない。これは公衆自殺機械──自殺したくなった人をすみやかに、やすらかに...
食べる

マーボーカレーの困惑

ハウス食品の「マーボーカレー」2種を食べてみた。「マーボーカレー」とは、その名のとおり、「麻婆豆腐」と「カレー」を合わせたもの。どちらもレトルトで食べたことはあるが、混ぜたことはない。よく言えば、"コロンブスの卵"的な発想だ。ゲーム『テイル...
食べる

味噌汁、どうしよう

最近、わが家にインスタント味噌汁が定着しつつある。味噌汁にせよ、スープにせよ、食事にはなるべく汁物をつけたい。汁物があると、ご飯の量を減らせるし、なにより食事が華やぐからね。とはいえ、毎食に味噌汁をつけるのは意外に面倒くさい。難しい料理じゃ...
食べる

178円 vs 890円 – ステーキ肉対決

むらむらと肉を食いたくなったので、ステーキ肉を買ってきた。赤コーナー、アメリカ産牛肉肩ロース、100グラムあたり178円~!青コーナー、国産牛サーロインステーキ肉、100グラムあたり890円~!価格差はぴったり5倍。同時に焼いて食べ比べして...
食べる

ちゃんちゃん焼きに豆板醤とチーズ

キャベツを食べるため、ちゃんちゃん焼きにした。ちゃんちゃん焼きはホットプレートで作れるから、とても簡単。これまで何度か作っているけど、今回は美味しくできたので、レシピをメモしておく。材料 (2人分)生鮭 ... 適量(今回は切り身を3つ)キ...
食べる

ユーハイムのケーニヒスバウム50 が届いた

家に帰ると、机の上に立派な箱が置いてあった。嫁に聞くと、ユーハイムの「ケーニヒスバウム 50」をお取り寄せしたという。5,250円(送料別)だって。おいおい、今年のバレンタインはナシじゃなかったの?※ケーキ在中?バレンタインにあらず箱を空け...
食べる

ハイボールには氷を

最近、ハイボールがはやっているらしい。何度か居酒屋で飲んだけど、缶入りも発売されていたので買ってきた。目についたのは、サントリーの『角ハイボール』と、キリンの『世界のハイボール』樽熟ウイスキーソーダと、樽熟シェリーソーダの3本だが、ほかにも...
食べる

タモリ流豚のしょうが焼きを試す

タモリ流豚のしょうが焼きを作ってみた。結論から言うと微妙だった。レシピが悪いのではなく、どこかで調理をまちがったようだ。あるいは完成の味をイメージできていなかったか、「死ぬほどうまい」という評判に惑わされてしまったか。タモリ流豚のしょうが焼...
食べる

ミルミル、また飲む

ヤクルトのミルミルが復刻していた。ミルミルは子どものころ、よく飲んだなぁ。たしか、クレイドールのCMをやってたはず。微妙な味わいなんだけど、ヤクルトやジョアより愛着がある。最近見ないと思っていたら、製造中止になってたんだね。ストローを差して...
食べる

スーパーのお弁当

スーパーのお弁当コーナーが拡大していた。スーパーでお総菜やお弁当が売られているのは不思議じゃないが、けっこう目立つ位置に常設され、しかも拡大するとは思わなかった。本来、スーパーは食材を買うところ。すぐ食べたいなら弁当屋や定食屋に行けばいい。...
食べる

シャリアピン・ステーキの限界

結論から言えば、食べたことがない料理を再現するのは無理だった。] にひきつづき、シャリアピン・ステーキのことである。今度はレシピ通り、ニンニクやワインを使って、肉を漬け込んでから焼いた。たぶん、レシピどおりの味になったと思うんだけど.......
食べる

備えあれば憂いアリ

夜、布団に入ったところで、軽い空腹感に見舞われた。困った。「コバラスキーの突き上げ」である。寝てしまえば気にならないが、気になって眠れない。悶々としてると、ますます腹が減る。いかん。こんなこともあろうかと、カップヌードルを買っておいた。カレ...