第12夜:サソリとアイスの当たり棒

第12夜:サソリとアイスの当たり棒 夢日記
第12夜:サソリとアイスの当たり棒
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 1996年ごろの話。

 私は毎週末、友人宅で遊んでいた。そこにはゲームセンターで知り合った十数名の友だちが集まっていた。金曜夜、閉店までゲームセンターで戦って、そのあと友人宅に移動、そのまま日曜日まで遊びほうけるのだ。
 とにかく人数が多いので、みんなで同じことはできない。それぞれ勝手にゲームをしたり、麻雀したり、パソコン通信(当時はNifty)したり、漫画を読んだり、コミケの準備をしたり……あるいは寝る人もいた。


 ある日のこと、寝ていた私は誰かに起こされた。
「なにしてんの! ほら! 行くよ!」
 ねこやぐら氏だった。
 この集団の中心的な人物で、さまざまなイベントを企画・実現してきている。よくわからんが、なんかやるらしい。眠いけど、私もついて行くことにした。
 連れて行かれた先は、駄菓子屋だった。こんなところに駄菓子屋があったのか。知らなかった。
 気がつくと、数名がウホウホ興奮している。
「なにしてんの?」と訊ねると、
「アイスの当たり棒を増やしてるんだ」とねこやぐら氏。
 よくわからないが、ある方法を使うと当たり棒を無限に出せる(チェーンヒットする)らしい。すごいウラ技もあったもんだ。


 どうやって当たりを連鎖させるんだろう?
 ウラ技の秘密を聞き出せないまま、ふたたび部屋に戻ってきた。眠いのでまた寝る。すると今度は黒侠に起こされた。
「どいて、どいて!」
 場所をあけると、黒侠はガバッと畳をめくった。
「うぉ?」畳が開閉するとは知らなかった。
 のぞいてみると、床下には無数のサソリがうごめいていた。
「ぎゃー!」
 黒侠は1匹を取り出し、手に乗せた。よく見ると金属的な光沢がある。てゆうか、メカじゃないの? これ?
「こいつは硬いよ。防御力が999あるからね!
 そういって黒侠はサソリを指ではじいた。カキーンと音がして、ダメージが無効化される。
「硬い、硬いよッ!」ねこやぐら氏も同意する。


 世の中、知らないことが多い。
 興味はあるけどまだ眠いので、私は部屋の隅にうずくまった。ようやく寝入ったころ、ふたたび起こされた。
「どいて、どいて!」
 ねこやぐら氏だった。
 私の背後に買い物袋があるらしい。それを渡すとき、ふと、さっきのことが気になった。
「ねぇ、さっきの当たり棒の話だけどさ。あれ、どうやって当ててんの?」
「なんの話?」
「ほら、さっき駄菓子屋に行ったじゃない……」
「ふんふん、それで? それから? ほぅほぅ」
 これまでの経緯を私はつらつら説明した。
 説明しながら……目が覚めてきた
「あれ? もしかして、寝ぼけてた?」
「うん、寝ぼけてた」
「ど、どのあたりから……」
「防御力999のサソリが出てきたあたりから現実」
「……」
 どうやら私は夢を見ていたらしい。
 寝ながら耳に入っていた周囲の会話やゲームサウンドが夢に反映されていたようだ
「それでさ、どうやってアイスの当たり棒を増やしたの?
 つづきを教えてよ。ねぇねぇ!」
 戸惑う私に、ねこやぐら氏はうれしそうに訊ねてきた。
 私は赤面した。
 夢を無防備にしゃべってしまった自分が許せなかった。

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