食品の”自然度”表示が義務化された。
”自然度”とは、その食品がどのくらい自然かを示す値。なにも手を加えず、野生の近い状態で収穫されると高く、農薬を使ったり、窮屈な厩舎で育てると低くなる。
食の安全を考えるとき、自然度はトレーサビリティ以上に重視されている。たとえば、このキャベツを測ってみよう。バーコードリーダーのような装置で、自然度は計測できます。キャベツに走査線を当てると、ほら、1980。よい環境で育てられたキャベツですね。
では、こちらの鰻はどうでしょう。自然度は420。養殖物としても低い。おそらく中国産で、成長ホルモンが投与されていますね。これはちょっと、食べたくありません。
と、このように簡単に自然度を測れることで、私たちの食の安全は大きく改善しました……あっ!
うっかりバーコードリーダーを落として、女性アナウンサーの腕に当たってしまった。ピコッと音が出て、自然度が表示される。
12.4──。
(そ、そういえば、彼女はちょっと……)
私がまじまじと見ていることに気づいた彼女は、にっこり笑って(いつも笑っているが)、こう言った。
「ご自分の自然度も測ってみては?」
という夢を見た。考え事をしながら寝ていたようだ。
自然=美味しい、栄養満点、健康、安全、ではないことは承知している。歪んだ自然志向が、夢の元ネタだろう。ショートショートっぽい夢だけど、安直だから夢日記にカウントする。



