2008

ショートショート

第38話:恋する心臓

「恋をしてるのは、あたしの心臓かもしれません」 なぜここで恋の相談を? と思ったけど、サトコの表情がこわばっていたので、話を聞くことにした。胸をぎゅっと押さえて、サトコは話しはじめた。 復学したサトコは、高校の美術教師を意識するようになった...
夢日記

第19夜:クローズド・サークル

(犯人がわかったッ!) 私は心の中で叫んだ。 と同時に、それが顔に出なかったか不安になった。心臓がバクバク鳴っている。へ、平静を装わなければ。なぜって、その犯人が目の前にいるからだ。「なにかわかりましたか?」 私は首を振って、彼(仮にAとす...
夢日記

第18夜:飛行船の秘密

「この飛行船は墜ちる!」 初めて乗った飛行船(ヒコーキではない)。興奮して、船内を探検していたら、とんでもないものを見つけてしまった。気嚢に新型兵器が隠されていたのも衝撃だったが、その護衛隊(自衛官?)が全滅して、テロリストの手に渡っていた...
夢日記

第17夜:悪魔の手錠

「強盗の現行犯でおまえを逮捕するッ!」 逃走する若者を羽交い締めにして、手錠をかけた。死にものぐるいで抵抗する若者に、死にものぐるいでヘッドロックする。ぐきりと音がして、動かなくなった。首の骨が折れたらしい。(ま、また殺してしまった!) こ...
ショートショート

第37話:ホトケの舌

「どうなさいました? 部長」 ミカに声をかけられ、我に返った。 打ち合わせがてら食事をするため、レストランにやってきた。そこでグラスに入った水を飲んでいたんだ。「なぁ、ここの水はうまいよな?」「え? あぁ、そうですね。 ちゃんと濾過してるみ...
ショートショート

第36話:壁の向こう側

その国の端っこに、大きな"壁"があった。 壁の向こう側を見たものはいない。 より正確には、壁の向こう側を見たものは例外なく、こちらに戻ってこないのだ。だから壁の向こう側がどうなっているのか、誰も知らなかった。 国民の多くは、壁に興味を示さな...
ショートショート

第35話:動機

「やっぱりキョウコが犯人ですよ!」 調査結果を見て、おれは断言した。 しかし警部は首をかしげている。納得できてないようだ。「うーん、動機がなぁ……」「明らかじゃないですか、すべて嫉妬ですよ」「嫉妬? なんで実の妹に嫉妬するんだ?」「自分より...
ショートショート

第34話:同伴者

「あ、今のところ、右です」 ノリコに指摘されて、ハッとなる。 しかしもう遅い。車はそこそこのスピードで走っている。過ぎてしまった交差点を振り返る余裕はない。「いいや。このまま行くよ」 バイパスに入れなかったので、30分くらい遠回りになるけど...