川場スキー場 - 夜明け前

「車でスキーに行こう！」

せっかく車があり、しかもスタッドレスタイヤも買ったのに、まだ車でスキーに行ったことがない。なので、行ってみることにした。車で行くことがテーマだから、車でしか行けないところがいい。てな条件で選ばれたのが、川場スキー場だった。

スキーウェアは持っているが、スキー板や靴はない。
なので電車で十分だし、その方が賢いのだけれど、まぁ、やってみることにした。

スキー場に向かうとなれば、スタッドレスタイヤが役立つだろうと思っていたが、甘かった。山の中に入っていっても、雪の積もった道なんかないのね。数十ｍほど積雪した道はあったけど、べつにチェーン規制がされているわけでもない。スタッドレスを履く必要はまるでなかった。

川場に到着したのは午前２時。
よくわからんが、明け方のこのこやってくると、駐車場が混雑するらしい。もちろん、夜が明けるまですることがない。なので断熱シートで窓をふさいで、寝袋を取り出し、寝る準備をする。北海道で培ったノウハウだ。

駐車場にいるほかの車も、同じように寝る準備をしているか、すでに寝ている。エンジンをかけっぱなしの車も多いが、私たちと同じような工夫をしている車もある。

（スキーをするために、ここまでするのか...）

みずから車で行こうと行っておきながら、その意味について考えはじめていた。確かにこれは、車でなければ実現できないツアーだが、そもそもの必要があったのだろうか？
よくわからない。

わからないので、私は寝ることにした。