ライブハウスの一体感
2009年 東京都:新宿副都心 遊園地知り合いがライブをやるので、見に行ってきた。
場所は『Alive House』という店で、渋谷駅から徒歩10分くらい。2部構成なので後半、21時からのステージを見ようと思ったら、じつは20時半スタートで、途中参加になってしまった。すでに店内は盛り上がっていて、座るところがない。やむなく階段下に折りたたみのイスを置いて観賞することになった。
※階段下から観賞した
前にも書いたけど、私はライブや舞台などは苦手だ。「場の一体感」に馴染めないからだ。
私は作品(楽曲、小説、絵画、映画など)を愛することはあっても、作者(歌手、小説家、画家、役者など)を愛することはない。作品はiPodやTVなどで十分に楽しめるから、その先に踏み込む必要を感じていない。
しかしライブや観劇は、そこを踏み込むためにある。
ただ一方的に音楽を受け取るのではなく、同じ空気を感じて、いっしょに興奮したい人が集まっている。そういう人たちの中にいると、そうでない自分が浮いてしまう。白鳥の群れにまぎれこんだカラスのように、バツの悪い思いをする。だから苦手なのだ。
今夜は、すでに歌手と知り合いなので、例外パターン。バンドメンバーには、オンラインで仕事をした相手もいる(会うのは今夜が初めて)。なので、ライブハウスの臨場感を楽しむためではなく、彼女たちの活躍を見るためにやってきたのだ。
※瓶ビールをラッパ飲みした
「今夜はどうもー! えー! 汗、かいてます!」
曲の合間に、ちょっとしたトークがある。リーダーのボケに、観客がつっこむ。あるいは観客の中にメンバーが乱入する。メンバーと観客の距離が近い(重なっている)。ここにいる数十人すべてと知り合いなのだろうか?
これまで訪れたライブの中で、もっともフランクな感じだ。
十数年前、先輩のライブに呼び出されたことがあるが、ファンでなければ同じ空気を吸っちゃ行けない場所だった。まぁ、私が異物であることを気にする人はいないんだけど、ああいうのは苦手。それに比べると、今夜のライブは居心地がいい。もちろん、数分で打ち解けて仲間になることはできないけどね。
目の前で熱唱する彼女は、本気で歌をやっている。
それがどういう意味なのか、私にはわからない。ただ、こうして集まる仲間がいて、発表の場があって、観客の声援があるのは、とても素晴らしいことに思える。
久しく遠ざかっていた「熱」を感じる。それは、ふだんの仕事ではなかなか味わえないものだ。
※ライブが終わった
ステージ終了後、そそくさ店を出てしまった。
てっきりステージが終わったら閉店すると思っていたが、ここはライブバーなので、そのまま飲めるみたい。ちょっと飲んでいけばよかったかな? でも、居づらくなったかも?
こういう場での振る舞い方がわからない。
ライブを楽しめた? と訊かれると悩む。
しかし、よい経験をしたと思う。