「お母さん、なんで今ごろ?」 カスミの声は震えているが、強い非難が込められていた。無理もない。幼少時に自分を捨てた母親...
死んだ主人が日記を書いています。 もちろん主人でないことはわかっていますが、そう思えてなりません。 この気持ちを、...
「わわっ、なにこれ? すごい!」 なんという甘さ、スーッと溶ける爽やかさ! 爺ちゃんが取り出したハチミツは、たとえる...
「ぼくはこの仕事に向いてないのかもしれません」 昼休み、弁当を食べ終えたタケルは深いため息をつき、遠くを見据えた。 ...
「これって、セーラー服?」 つきあって4年になる彼氏の部屋で、セーラー服を見つけてしまった。 ベッド下の紙袋に入...
「先生、私、初めてじゃないよ」 放課後の教室で、ミユキはぼくの机に腰掛けた。書類が床に落ちる。 「なにが、だだれと、ど...
吾輩は犬である。 名前はあるかもしれないが、とんと見当がつかぬ。 ご主人様との関係は、おおむね良好。 そう思うの...
「いつ、だれと結婚するかは、あたしが決めることでしょ!」 怒鳴られて母さんはしょんぼりした。 言いすぎたかもしれない...
「おまえ、ダイエット中だったのか。そりゃ、悪いなぁ」 高校時代の友人・シゲルは、がははと笑ってジョッキを飲み干した。 ...
「目が覚めたかい?」 ぼくは、ボクに声をかけた。 ボクは身体を起こして、機械の頭を振る。 「ここは宇宙船?」 「ぼく...
「ついにブラック・ウィドーを妻に娶ることができた」 きょう、80歳の誕生日を迎えるカツシゲ翁は、微笑みながらグラスを掲...
「あれ? 母さん、どうしたの?」 アパートに帰ると、ドアの前に母さんが立っていた。 「なに言ってんの、ミホ。今日、泊ま...
「ユミちゃん、この会社はヤバイよ!」 幼なじみのシロウは、青ざめた顔で訴えた。 霊感の強い人だから、なにか言うとは思...
「今回も解決できましたね、教授!」 ジェーンの賞賛に、教授は不機嫌そうにそっぽ向いた。「ふん」と鼻を鳴らすが下品さはな...
「ホームズさんが死んだって、本当ですか?」 真っ青な顔で叫ぶレストレード警部に、ワトソンは静かにうなずいた。 「ライヘ...
風が強い。もうすぐ台風がやってくる。 家に帰る途中の坂道で、犬小屋を見かけた。 よく見ると、それは、わが家の飼い犬...
久々にダイナミックな夢を見た。 夢の中で《私》は、中世ヨーロッパのどこかの町にいた。 大群衆が押し寄せた石畳の通り...
コン・バトラーVとボルテスVが戦う夢を見た。 夢の中で、私は「役」を与えられておらず、ただ成り行きを見守るだけだった...
山奥で大学校舎を建てていると、遺跡を掘り当ててしまった。 巨大な講堂(天主堂?)である。荘厳な造りはヨーロッパを彷彿...
最近、昼夜が逆転している。 何日も泊まり込みで作業してるから、昼も夜もないんだけど、やっぱり作業効率が悪くなった。大...
《お配りした指輪は、1分に1個ずつ爆発します》 黒いスクリーンに白い字幕。手書きのような字幕フォント。 (どういう意味...
「あたしにも一本、ちょうだい」 私は胸ポケットからタバコを取り出して、差し向けた。細い指がタバコを挟み、火を点ける。ふ...
気がつくと、地下室に閉じ込められていた。 壁も床も鋼鉄製で、無骨なリベットが打ち込まれている。頑丈なコンテナのようだ...
夢の中で、私は小学校の先生になっていた。 受け持ちのクラスに、味覚のない少女がいる。外見に変わったところはないし、成...
久しぶりにぐっすり眠れて、目覚めのいい朝だった。 背広に着替えて、会社に向かう。すると駅で昔の友人Mに出会った。 「...
(犯人がわかったッ!) 私は心の中で叫んだ。 と同時に、それが顔に出なかったか不安になった。心臓がバクバク鳴っている...
「この飛行船は墜ちる!」 初めて乗った飛行船(ヒコーキではない)。興奮して、船内を探検していたら、とんでもないものを見...
「強盗の現行犯でおまえを逮捕するッ!」 逃走する若者を羽交い締めにして、手錠をかけた。死にものぐるいで抵抗する若者に、...
食品の"自然度"表示が義務化された。 "自然度"とは、その食品がどのくらい自然かを示す値。 なにも手を加えず、野生...
海エルフと陸エルフの猛攻によって、城は陥落寸前だった。 いろいろ不備もあったが、海エルフの強靱さは計算外だった。海の...