創作 / 夢日記 (42) 夢は不作為の創作ではなく、結実しなかった思考の残滓であろう
第42夜:夢の録画ボタン
モーターボートで神田川を下っているとき、「あぁ、これは夢だ」と気がついた。 なぜなら、さっき川べりを歩いていた私に波しぶきをかけたモーターボードに、いま私が ...more
第41夜:真夜中の太陽
「もう9時だから、もう無理~」 今日はウォーキングに行く予定。午前7時に起きるつもりだったが、寝過ごしてしまった。時計を見たら9時過ぎ。すぐ起きて、すぐ出発し ...more
第40夜:だいこんにあやまれ
私は寝るとき、枕元にメモ帳を置くようにしている。 もちろん、見た夢をメモするためだ。夢は揮発性が高いので、トイレに行ったり、歯を磨く間に失われてしまう。「あ ...more
第39夜:夢の中では早く走れない
夢の中では早く走れない。 ふつうに歩くことはできるが、いざ走ろうとすると、ベルトコンベアを逆送するようにスピードが出ない。あるいは、海の底のような強い抵抗が ...more
第38夜:脳を盗まれた女
「盗まれた脳を、取り返してほしいんです」 アケチ探偵事務所に、奇妙な依頼人がやってきた。美しい女性で、自分の脳が盗まれたと言う。脳を盗まれて、なぜ平気なんだろ ...more
第37夜:停電の町にて
『サイレントヒル』の最新版を手に入れた。 嫁が不在だが、ちょっとだけプレイしてみよう。ディスクをセットして、電源を入れる。オープニングムービーはけっこう怖か ...more
第36夜:電池がない
(なにか......なにか手はないか?) 荷物をあさりながら、私は必死に考えた。カメラの電池がないのだ。一眼レフだけでなく、コンパクトカメラも、iPhoneも ...more
第35夜:世界の果てのビデオ鑑賞会
某所で、6人のオタクがビデオ鑑賞会を開いていた。 ここは広くて暗い部屋──いや、部屋というには広すぎる。どこかの倉庫だろうか。 暗い。窓も照明もないから真 ...more
第34夜:7手先を読め
居酒屋を出たところで、日本刀をもった甲冑男に襲撃された。 西洋のプレートメイルを着てるのに、なぜ武器が日本刀なのか? なぜ目が真っ赤に光っているのか? よく ...more
第33夜:全校同窓会
全校同窓会の招待状が届いた。 なんと高校3学年の全生徒、全教師が、校舎を借り切って、一堂に会するらしい。体育館の立食パーティのあとは、自分の教室でホームルー ...more
第32夜:あらざらむ
気がつくと中学生に若返っていた。 自分で言うのもアレだが、肌の張りがちがう。いい意味で、ぷにぷにしてる。 ちょっとマテ。年号がぶっ飛んでいる。長生きできる ...more
第30夜:箪笥めぐり
あわい期待が無かったと言えば、ウソになる。 仕事に疲れた私は、遠く丹波の山にやってきた。 一里塚で足を休めていると、あとから来た男がとなりに腰掛けた。登山 ...more
第29夜:台風と犬小屋
風が強い。もうすぐ台風がやってくる。 家に帰る途中の坂道で、犬小屋を見かけた。 よく見ると、それは、わが家の飼い犬「ワン太郎」の小屋だった。 (ま、まさか ...more
第28夜:同情しないで
久々にダイナミックな夢を見た。 夢の中で《私》は、中世ヨーロッパのどこかの町にいた。 大群衆が押し寄せた石畳の通りを、若い女が引きずられていく。忌まわしい ...more
第27夜:コン・バトラーV 対 ボルテスV
コン・バトラーVとボルテスVが戦う夢を見た。 夢の中で、私は「役」を与えられておらず、ただ成り行きを見守るだけだった。 ひょっとすると、テレビを見ていたの ...more
第26夜:縄文時代のバロック建築
山奥で大学校舎を建てていると、遺跡を掘り当ててしまった。 巨大な講堂(天主堂?)である。荘厳な造りはヨーロッパを彷彿させるが、古代日本人の手によるものと判明 ...more
第23夜:タバコを吸う夢
「あたしにも一本、ちょうだい」 私は胸ポケットからタバコを取り出して、差し向けた。細い指がタバコを挟み、火を点ける。ふぅーと紫煙がたなびく。 (美人なのに、タ ...more
第22夜:汗をかく死体
気がつくと、地下室に閉じ込められていた。 壁も床も鋼鉄製で、無骨なリベットが打ち込まれている。頑丈なコンテナのようだ。 壁の向こうから、膨大な質量が伝わっ ...more
第21夜:味のない人生
夢の中で、私は小学校の先生になっていた。 受け持ちのクラスに、味覚のない少女がいる。外見に変わったところはないし、成績も言動もふつう。しかし集団の中では目を ...more
第20夜:なつかしエール
久しぶりにぐっすり眠れて、目覚めのいい朝だった。 背広に着替えて、会社に向かう。すると駅で昔の友人Mに出会った。 「数年ぶり? いや十数年ぶり?」 さいわ ...more
第19夜:クローズド・サークル
(犯人がわかったッ!) 私は心の中で叫んだ。 と同時に、それが顔に出なかったか不安になった。心臓がバクバク鳴っている。へ、平静を装わなければ。なぜって、その ...more
第18夜:飛行船の秘密
「この飛行船は墜ちる!」 初めて乗った飛行船(ヒコーキではない)。興奮して、船内を探検していたら、とんでもないものを見つけてしまった。気嚢に新型兵器が隠されて ...more
第17夜:悪魔の手錠
「強盗の現行犯でおまえを逮捕するッ!」 逃走する若者を羽交い締めにして、手錠をかけた。死にものぐるいで抵抗する若者に、死にものぐるいでヘッドロックする。ぐきり ...more
第15夜:ウルトラマンの甘露煮
海エルフと陸エルフの猛攻によって、城は陥落寸前だった。 いろいろ不備もあったが、海エルフの強靱さは計算外だった。海の生物を地上に出すと、すごいパワーを発揮す ...more
第14夜:セカンドナース
気がつくと、オンナになっていた。 身体が軽くて、柔らかい! ウエストが細いぃ! ちゃんと内蔵が入っているのか心配になる。すらりと伸びた両足も、美少女フィギュ ...more
第13夜:あざなえる縄のごとし
仕事を辞めて、大学受験することにした。 なにを今さらと思うだろうが、よく考えたことだ。受験に集中するため、私は会社を解散させた。一念発起。人生を再構築するの ...more