唐八景 / 地元に根ざした長崎ちゃんぽん専門店
2009年 東京都:西部 ちゃんぽん高円寺駅について最初に向かったのは、長崎チャンポンの店・唐八景。
ここは、Micheさんの日記で知ったお店。いわく現地仕様の味だとか。
2月の長崎旅行で、宝来軒別館、康楽(かんろ)、王鶴、レトルト、長崎ちゃんめんの5杯を食べて、長崎ちゃんぽん好きになった私は、9ヶ月ぶりに本場っぽい味を食べたくなっていた。
※唐八景:小道を入ったところにある
外観的には、あまりきれいではない。知らない人が、ふらっと訪れることはないかも。店内は10名ほどのカウンター席のみ。私が座った椅子はぐらぐらして、ちと不安だった。頭上ではテレビが流れており、いかにも下町っぽい雰囲気だった。
「唐八景」は長崎市にある公園の名前だけど、そのあたりの出身なのかな。
近所の店
おじさん1人で切り盛りしているみたい。偏屈そうだが、話しかけると気さくに答えてくれた。私が「長崎っぽい味を求めてきた」というと、「本場の味なんてないよ。長崎だって味はバラバラだし。なんだっていいんだよ。それにしても中国人はえらいね。ちゃんぽんや皿うどんを考案してさ。考え方は好きになれないけど」と、愛想よく、ぶっきらぼうに答えてくれた。
私のカメラを見ると、「なに、それ、写真撮るの? 宣伝はいらないよ。うちは近所連中を相手にした店だからね」と言って、バナナをくれた。これは食後のよいデザートになった。
※切り盛りするおじさん
私は長崎ちゃんぽんを、嫁は皿うどんを注文する。
大きな鉄鍋で、具材を炒めはじめる。ゴッゴッと鉄鍋をこする音がする。量が多いので、2皿分かと思ったが、長崎ちゃんぽん1皿分だった。1皿ずつ作る主義らしく、皿うどんの調理はこれからだった。
長崎ちゃんぽん (800円)
スープをすする。濃厚だけど、ほんのり甘みがあって、喉を灼くクドさはない。おいしい。具材も大きさ、火の通りもちょうどいいし、麺もおいしい。ふむ、いいじゃない。長崎旅行の記憶をたぐると、宝来軒別館ほど強くなく、康楽ほど偏ってないかな。
すり鉢入りの胡麻がついてきた。擦った胡麻を加えると、香ばしくなる。後半に振りかけると、舌先が変わってよかった。
※浅めの皿にてんこ盛り
※うまい
皿うどん (800円)
ちゃんぽんを半分くらい食べたところで皿うどんが登場。これまたボリュームたっぷり。ちゃんぽんに似て非なる味付け。これもおいしい。パリパリ細麺だけ食べると、香ばしさの中に甘みがある。いい感じ。モリモリ、ザクザク、食べた。
※ひと皿で腹を満たせるボリューム
※麺にも味がある
ときおり嫁と皿を交換して完食。ふー、大満足。
中華料理屋や長崎料理の店にちゃんぽんがあるのではなく、ちゃんぽん専門店だけのことはある。たくさんの具材を、1つの鍋で調理し、1つの皿で食べる。地元に根ざした雰囲気も心地よくなっていた。こういう店が近所にあったらいいなぁ。
ごちそうさまでした♪