小河内ダム / 東京の水瓶
2005年 東京都:都下 ダム 山・渓谷 治水・利水 花:紅葉小河内(おごうち)ダムを見てきた。
とても大きかった。私が今まで見てきた中では最大級のダムだ。
資料館(水と緑のふれあい館)でもらってきたパンフレットを読みながら、私たちはダムの周辺を散策した。
※小河内ダムの秋
なぜ、ここにダムがあるか?
このダムを造るために、87名が殉職した。
また945世帯約6,000名が故郷を追われ、もとの村は水没した。
すべては、都市圏の水道水を確保するためだった。
水道の蛇口をひねると、水が出る。
ふだん当たり前に思っていることの裏側には、多大な労力と犠牲が隠されていた。そして今も、この当たり前を守るために、上流の砂利をのぞくなど、地道な努力が行われている。
東京都には、世界最大の水道専用ダムがある。
そんなことを知らずとも、蛇口をひねれば水が出る。なんと、ありがたいことだろうか。
※水と緑のふれあい館
奥多摩湖は人間が作った湖だ
──巨大な小河内ダム、巨大な奥多摩湖。
かつて、ここに湖などなかった。渓谷をコンクリートで塞いで造ったのだ。人間はなんと巨大なものを造ってしまうのだろう。
そしてその恩恵を、なんと無神経に享受できるのだろう。
紅葉はなかったが、快晴の空と紺碧の湖面は美しかった。
※水が碧い
それで十分だった。