サント・ドミンゴ教会跡資料館 / 地中から甦る歴史

2009年 長崎県 郷土資料館
[WGS84] 32.751197, 129.880162 - Google Earthで開く(kml)

そんなに期待してなかったが、非常におもしろいところだった。

サント・ドミンゴ教会跡資料館は、桜町小学校の敷地内にある。わざわざそんな場所に建てたのではなく、校舎の建設中に遺跡が発見され、そのまま保存されているのだ。しかも同じ場所から、江戸時代の代官屋敷の遺構も発見されている。歴史が折り重なっているのは興味深い。

勝山町遺跡
※資料館入口:桜町小学校裏手にあり、校門とは別になっている

折り重なる歴史

1609年、江戸幕府が開かれた6年後にサント・ドミンゴ教会は建てられた。熱心なキリシタンだった代官が土地を寄進し、保護していたのだ。このころの長崎には、数十の教会や教会関連の病院があって、南蛮貿易と布教が左官に行われていた。
1614年、サント・ドミンゴ教会は建設後わずか5年で破壊されてしまう。江戸幕府の体制が確立され、キリシタン弾圧が厳しくなったためだ。その跡地には代官の末次氏の屋敷が建てられた。
17世紀後期、末次氏が失脚すると、代官職は高木氏に引き継がれ、約三百数十年にわたり長崎代官屋敷として利用された。

勝山町遺跡
加曽利貝塚のような土臭さはない。

勝山町遺跡
※サント・ドミンゴ教会時代(17世紀初頭)→末次屋敷時代(17世紀中期から後期)→高木屋敷時代(18~19世紀)

出土品や資料展示もある

このとき観光客は私たちだけで、ゆっくり静かに見てまわることができた。小学校の生徒は、何歳くらいでここを訪れるんだろう。自分の足元に数百年の歴史があると知ったら、郷土への愛着もわくだろうな。

勝山町遺跡
※メダイなどキリスト教関連の出土品も多い

勝山町遺跡
※花十字紋瓦(はなじゅうじもんがわら)

■サント・ドミンゴ教会跡資料館(勝山町遺跡)
[所在地] 長崎市勝山町30番地1
[連絡先] 095-829-4340
[設立] 平成16年3月27日
[開館時間] 9時~17時
[休館日] 毎週月曜日(祝日の場合は開館)、12月29日~1月3日
[入館料] 無料 
[延床面積] 690m2

勝山町遺跡
※こちらは桜町小学校の校門

勝山町遺跡
※斜面にびっしり家が建つ

このあと、私たちは長崎市役所でトルコライスと南蛮カレーを食べた。