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[創作] 2011年04月20日(水)に書いた妄想リメイク

[妄想] 死刑台のエレベーター

[妄想] 死刑台のエレベーター

3組の男女、2つの殺人、1つの真実──

まえがき

 『死刑台のエレベーター』は2010年公開の日本映画。1958年公開の同名フランス映画をリメイクしたものだが、つまらなかった。雰囲気はいいけど、ストーリーが弱すぎる。
 オリジナルもサスペンスの金字塔と評されているが、見どころはストーリーではなく雰囲気だった。それを忠実に再現するにも、現代日本が舞台では無理が出てしまう。ならばストーリーを複雑にした方が、雰囲気が映えるのではないか?
 そこで、自分が考える理想の展開を、シノプシスにまとめてみた。

死刑台のエレベーター
死刑台のエレベーター

登場人物

  • 芽衣子 ... 会長夫人。時藤に会長の殺害を教唆する。
  • 時籐 ... 会長を殺害する。芽衣子への愛より、不正への義憤が強い。
  • 会長 ... 某国へのODAで不正をしている。
  • 大尉 ... 某国の退役軍人。会長と旧知の仲。
  • 愛人 ... 大尉に同伴する美女。時藤の殺意に気づいている。
  • 理容師 ... 時藤を慕っている。
  • チンピラ ... 大尉と同じ国の出身。コンプレックスが強い。
  • 守衛 ... 会長と大尉が言い争っているのを立ち聞きする。
  • 社員 ... 会長が狙われていることを芽衣子に伝える。

15:00 - ふ頭/芽衣子、時籐に殺人教唆する

  • 殺害計画を確認しあう時藤と芽衣子。
  • 会長が護身用に調達した拳銃を、芽衣子がくすねて時藤に渡してある。
  • ロープで会長室に入って銃殺。自殺に見せかけるという簡素な計画。
  • 「私を愛しているなら、あの男を殺して!」
  • 芽衣子は強気で、計画に自信を持っている。
  • 時藤は思い詰めた表情。

死刑台のエレベーター
芽衣子、時籐に殺人教唆する

16:00 - ビル/時籐の出社、理容師とチンピラ登場

  • 時藤が出社、理容師が挨拶する。
  • チンピラが理容師に絡む。金持ちの時藤に嫉妬している。
  • 守衛が時藤にビルの停電予定を伝える。
  • 時藤が部屋に閉じこもり、準備を始める。

16:30 - 社長室/会長と大尉の口論

  • 会長室で会長と大尉が言い争っているのを、守衛が立ち聞きしてしまう。
  • 大尉「おまえ、死にたいのか?」
  • 会長「あぁ、死んでも惜しくないね」
  • 会長と大尉は旧知の仲で、会長の危機を警告したのだが、無視された。

17:00 - 社長室/時藤、会長を殺害する

  • ふと顔を上げると、時籐が銃を向けていた。
  • 引き出しに隠しておいた銃がない。時藤に盗まれていた。
  • 「芽衣子にそそのかされたのか?」と笑う会長を射殺。
  • 自殺に見せかけ、ロープで自室にもどる。
  • アリバイを維持。しかしロープを回収できなかった。

死刑台のエレベーター
時藤、ロープを回収しそこねる

17:30 - エレベーター/時藤、閉じ込められる

  • 退社したふりをして、会長室にもどる。
  • エレベーターで登っている途中で電源が落ちる。
  • 閉じ込められた! ロープ未回収。
  • 明日は電源工事のため、たくさんの作業員がやってくる。
  • 会長の死体とロープをもった自分が同時に見つかれば、言い逃れできない。
  • 携帯電話が通じず、芽衣子に連絡できない。

死刑台のエレベーター
時藤、閉じ込められる

18:00 - ビルの外/チンピラが時藤の車を盗む

  • すぐ戻るつもりだったので、時藤の車はキーが残っていた。
  • 理容師とチンピラが気づき、チンピラがいきなり車を盗む。
  • ダッシュボードから名刺やカメラを手に入れる。
  • 時藤の車を追跡する車。大尉の愛人が「時藤に頼みましょう」という。
  • 芽衣子、約束の時間になっても出てこない時藤を心配する。
  • 時藤の車に理容師がいることを見て、驚く。

19:00 - パーティ/芽衣子、暗殺計画を知る

  • 時藤といっしょに参加するはずだったパーティへ。
  • パーティでアリバイを補強するつもりだった。
  • 会長と時藤の不在が話題になって、フォローしきれない。
  • 会長は死んだのか? 自分は捨てられたのか? 不安になる芽衣子。
  • グループの社員から不穏なウワサを聞かされる。
  • 会長の不正が相手国にばれて、現地人に暗殺される恐れがある。

死刑台のエレベーター
芽衣子、不安になる

20:00 - カーチェイス/大尉、チンピラを気に入る

  • チンピラの車をぶっちぎるスポーツカー。
  • いらだったチンピラが加速して、カーチェイスに。
  • チンピラがハンドル操作を誤って、顔を見合わせる。
  • チンピラと大尉は同じ国の出身者。
  • 「時藤じゃない」と驚く愛人。大尉はチンピラを気に入り、コテージに案内する。
  • 「時藤と思って追ってきたが、まぁ、いい。キミに頼みたいことがある」

20:30 - エレベーター/時藤、不安になる

  • 脱出できない時藤。
  • 芽衣子にはめられたのではないかと不安になる。
  • 芽衣子への愛と、会長への義憤。どっちが強かったのか?

21:00 - バー/芽衣子、不安になる

  • 時藤は計画を無視して逃げたのか?
  • 時藤は自分を愛していたのか?
  • 自暴自棄になって暴れる芽衣子。警察に引っ張られる。

22:00 - コテージ/理容師&チンピラ、大尉&愛人

  • チンピラ&理容師は、時藤夫妻としてチェックインする。
  • 「時藤くんにたのむつもりだったが、きみの方が適任だな」
  • 大尉がチンピラに、会長暗殺の狂言を依頼する。
  • 「銃弾を撃ち込めば、あいつも態度を変えるだろう」
  • ぬるい命令にいらだつチンピラ。
  • カッとなって大尉と愛人を殺害し、カネを奪って逃走する。

02:00 - 理容師の部屋/心中する

  • 怖くなった理容師は、睡眠薬で心中を図る。

死刑台のエレベーター
犯人が死んでしまう

08:00 - 警察署/芽衣子は乗り切った

  • コテージで大尉&愛人の射殺体が発見される。
  • 宿泊名簿と乗り捨てられた車から、時藤が容疑者となる。
  • 拘留中の芽衣子に事情聴取。グループの問題に揺さぶりをかける。
  • 芽衣子、大尉殺害のニュースで時藤の車を見る。
  • 会長を狙っていた大尉を、時藤が殺害した?

死刑台のエレベーター
事件が発覚する

09:10 - 理容師の部屋

  • 芽衣子、理容師の住所を聞き出し、押しかける。
  • 芽衣子、昏睡状態の2人を発見。時藤のコートを見て、事態を把握する。
  • 芽衣子、警察に通報する。

09:15 - エレベーター起動

  • 電源回復。時藤がビル外に脱出。
  • 会長の死体が発見される。
  • 愛車がないことに驚き、行きつけのカフェで逮捕される。
  • 芽衣子に会長の死と時藤の逮捕が伝えられる。

死刑台のエレベーター
会長の死体が見つかる

10:00 - 取調室/時藤はダウンした

  • 大尉の殺害容疑で追求される時藤。疲労困憊で、意識が朦朧とする。
  • 困惑するが、エレベーターに閉じ込められていたと言えない。
  • ほどなく会長の死体が発見されるが、自殺として処理される。
  • 「大尉と会長が口論していた」と守衛が証言する。
  • 警察は、会長を殺した大尉を時藤が追いかけ、愛人の姿を見て激昂して殺したと決めつける。
  • 沈黙して芽衣子を守る気力がない時藤。やがて「エレベーターにいた」と証言する。
  • エレベーターに痕跡が見つかって、(大尉殺害の)アリバイが成立する。
  • 警察はロープを見つけるが、大尉が使ったと勘違いする。
  • 無能な警察は、時藤を釈放してしまう。
  • 警察署で、芽衣子と時藤が対面する。

死刑台のエレベーター
自白したが釈放される

13:00 - ふ頭

  • 一晩の不安から、芽衣子は時藤への愛を深め、すり寄る。
  • 一晩の苦悩から、時藤は芽衣子への愛が冷めて、拒絶してしまう。
  • 警察がカメラのフィルムを現像して、時藤と芽衣子の関係が露見する。

死刑台のエレベーター
証拠が露見する

《おわり》

 夜が明けたとき、人間関係が劇的に変わっていてほしかった。このシノプシスでは、犯罪は成功するものの芽衣子と時藤の信頼関係が崩れる(おまけに逃げ切ることもできない)皮肉を描いてみた。
 こうして書き出すと、期待したほどおもしろくないような気もする。難しいところだ。

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