創作 / ショートショート (100) 1,000文字でショートショートを書いてみよう

第40話:愛し方、愛され方

第40話:愛し方、愛され方

2008/04/19 - ショートショート

「やっぱり別れよう」  ケイスケさんは突然、切り出した。結婚して半年。これからと言うときに信じられない。 「やっぱり、ユリ姉さんのことが忘れられないのね」  目 ...more

第39話:予定があると安心する

第39話:予定があると安心する

2008/04/18 - ショートショート

「お客さんは、フランスの哲学者ジャン・ギトンをご存じですか?」  窓の外をぼんやり見ていた私に、運転手が話しかけてきた。本当に話し好きな運ちゃんだな。浮かない声 ...more

第38話:恋する心臓

第38話:恋する心臓

2008/04/17 - ショートショート

「恋をしてるのは、あたしの心臓かもしれません」  なぜここで恋の相談を? と思ったけど、サトコの表情がこわばっていたので、話を聞くことにした。胸をぎゅっと押さえ ...more

第37話:ホトケの舌

第37話:ホトケの舌

2008/01/04 - ショートショート

「どうなさいました? 部長」  ミカに声をかけられ、我に返った。  打ち合わせがてら食事をするため、レストランにやってきた。そこでグラスに入った水を飲んでいたん ...more

第36話:壁の向こう側

第36話:壁の向こう側

2008/01/03 - ショートショート

 その国の端っこに、大きな"壁"があった。  壁の向こう側を見たものはいない。  より正確には、壁の向こう側を見たものは例外なく、こちらに戻ってこないのだ。だか ...more

第35話:動機

第35話:動機

2008/01/02 - ショートショート

「やっぱりキョウコが犯人ですよ!」  調査結果を見て、おれは断言した。  しかし警部は首をかしげている。納得できてないようだ。 「うーん、動機がなぁ……」 「明 ...more

第34話:同伴者

第34話:同伴者

2008/01/01 - ショートショート

「あ、今のところ、右です」  ノリコに指摘されて、ハッとなる。  しかしもう遅い。車はそこそこのスピードで走っている。過ぎてしまった交差点を振り返る余裕はない。 ...more

第33話:裸の女王様

第33話:裸の女王様

2007/08/20 - ショートショート

 『裸の王様』ってさ、どうしてハダカになっちゃったのかな?  いくら王様がバカでも、いきなり透明な服は着ないと思うんだよね。つまり、いくつかの段階を踏んでから、 ...more

第32話:恋の呪い

第32話:恋の呪い

2007/08/03 - ショートショート

「どうしたらわかってもらえるんだ?」  ぼくは怒鳴った。こうなったらハルカにすべてを話すしかない。 「ねぇ、ハルカ。  きみは、ぼくのことを好きだと思っているん ...more

第31話:読書する力

第31話:読書する力

2007/08/02 - ショートショート

「カズユキ、今こそおまえの協力が必要なんだ!」  革命志士であるおれは、カズユキの家で机を叩いた。しかしカズユキは動かず、本を読みつづけている。今日という今日は ...more

第30話:アラン・スミシー

第30話:アラン・スミシー

2007/08/01 - ショートショート

「えぇと、アラン・スミシーをご存じですか?」 私が黙っていると、電話の向こうの担当者はていねいに説明してくれた。 「アラン・スミシーは映画監督の名前です。  い ...more

第29話:ニートの王様

第29話:ニートの王様

2007/07/31 - ショートショート

「おまえ、まだ働いてなかったのかッ!」 強い口調で叱咤したのに、アユミはテレビから目を離さず、「んー」とだけ答えた。布団に横たわって、細い足をぶらぶらさせている ...more

第28話:無言放送

第28話:無言放送

2007/07/30 - ショートショート

「え? いま、なんておっしゃいました?」  ナミコに詰め寄られ、プロデューサーは汗をかきながら答えた。 「き、きみのラジオ番組は今週で終了する。これは局の決定で ...more

第27話:舞踏会の手帖

第27話:舞踏会の手帖

2007/03/01 - ショートショート

「で、爺さんはこんな田舎まで、なにしに来たんだい?」  道を尋ねた青年とつい話し込んでしまったが、これもなにかの縁か。  バスが来るまであと1時間。  少し長く ...more

第26話:浮気の代償

第26話:浮気の代償

2007/02/28 - ショートショート

 夫が浮気している。それは、信じられないことだった。  夫のシンスケは大学の助教授で、私は元・教え子。プロポーズされたときは、正直迷った。年齢差もあったし、シン ...more

第25話:告知問題

第25話:告知問題

2007/02/27 - ショートショート

「ちゃんと余命を告知すべきだよ」  おれの主張は、しかし親族全員に反対された。  親父の危篤を報されたおれは、実家に帰ってきた。救急措置が早かったので親父は一命 ...more

第24話:ウサギとカメと

第24話:ウサギとカメと

2007/02/26 - ショートショート

 あの2人を見てると、人生について考えてしまう。  タカシとヤスオ──。  2人は同じ年の春にやってきて、同じ仕事に着任した。2人とも若く、背格好も似ていたので ...more

第23話:乙な関係

第23話:乙な関係

2007/02/25 - ショートショート

「あのスケベ親父、なんて言ったと思う?」  ナミコ社長は息巻いた。 「ナミコくんは美人だからオトクだね〜、だって!  ふざけんじゃないわよ! あたしの苦労も知ら ...more

第22話:私のヒーロー

第22話:私のヒーロー

2007/02/23 - ショートショート

「あの夜、ぼくはきみに姿を見せてしまった」  私は黙って、彼の話を聞いていた。 「あれはクリスマスパーティーの帰りだった。きみは、酔った男にからまれていた。そこ ...more

第21話:ファインダー越しの愛

第21話:ファインダー越しの愛

2007/02/22 - ショートショート

「ねぇ、聞かせてちょうだい。どうして離婚しちゃったの?」  意を決し、私はユカに訊ねた。ぶすっとしたまま、ユカは紅茶を飲んだ。私は黙って、ユカの言葉を待った。 ...more

第20話:無駄のない仕事

第20話:無駄のない仕事

2007/02/21 - ショートショート

「この世に無駄なものなんてないんだよ」  と課長は言った。だけどぼくはどうしても納得できなかった。  課長とぼくは画期的な新製品を開発した。長年の地道な研究が、 ...more

第19話:閉じこめられた2人

第19話:閉じこめられた2人

2006/05/26 - ショートショート

「私はイヤよ! こんなところで死ねない!」  リツコは叫んだ。叫ばずにはいられなかった。その声は地下道に反響して消えた。先を歩いているカズミは無視した。ずっと無 ...more

第18話:魔性

第18話:魔性

2006/05/25 - ショートショート

「どうしてママは、パパと結婚したの?」 娘のリエが訊ねてきた。いつかは話さなければと思っていたけど、今がそのときかもしれない。洗濯物をたたむ手を止めて、私は娘 ...more

第17話:とりこ

第17話:とりこ

2006/05/20 - ショートショート

「カズオさんって、非常識なんです」  アユミはしずかに話しはじめた。  アユミはふつうのOLだった。そんな彼女がある日、道ばたでナンパされた。真っ赤な高級車から ...more

第16話:わかってない

第16話:わかってない

2006/05/19 - ショートショート

「兄貴! ちょっと聞いてくれよ」  といって弟のノブヒコが部屋に入ってきた。 (コイツはまったくわかってない……)  兄とはいえ、他人の部屋に入るときはまずノッ ...more

第15話:危険な行為

第15話:危険な行為

2005/08/22 - ショートショート

「あなた! どうしたの?」  家に帰ってきた主人の背広は破れ、顔には青アザができていた。 「いや、ちょっとね……」  心配させまいと、にっこり笑ってくれる。私は ...more

第14話:内助の功

第14話:内助の功

2005/08/16 - ショートショート

 雨上がりの駅前で、私はコウイチさんと再会した。  3年ぶりにみる彼は、まるで浮浪者のようにみすぼらしかった。薄汚れたコート、もさもさの髪、落ちくぼんだ目。でも ...more

第13話:最高の死

第13話:最高の死

2005/07/14 - ショートショート

(死んだ。死んでしまった……)  心臓が止まった亡骸から、霊魂が浮かび上がっていく。家族や友人たちが泣いている。私は愛されていた。 (苦痛もなかったし、死後の手 ...more

第12話:滅私奉公

第12話:滅私奉公

2005/07/13 - ショートショート

 ノックの音がして、次の患者が入ってきた。  気の弱そうな男だ。資料には34歳とあるが、50歳くらい見える。目は落ちくぼみ、肌に生気がない。係員にうながされて、 ...more

第11話:隠し味

第11話:隠し味

2005/07/12 - ショートショート

「本当のことを言って、シンイチさん。おねがいだから……」  うるんだ瞳で、カズネは詰め寄ってきた。腕をつかむ指に、ぎゅーっと力がこもる。カズネは疑っている。ぼく ...more