ズーラシアの開園記念日
2008年 神奈川県 動物園横浜市立よこはま動物園ズーラシアが、開園記念日で入場無料になるので出掛けてきた。
ズーラシアを訪れるのは初めて。開園記念日で猛烈な混雑を覚悟したが、あいにく雨模様で空いていた。それと13時半に到着したので、全部は見られないと思ったが、意外とスムースに見てまわれた。
ズーラシアは、ちょっと変わった動物園だった。
※雨が降ったりやんだりのズーラシア
横浜市立よこはま動物園ズーラシア
ズーラシア(zoorasia)という名前は、動物園(Zoo)とユーラシア(Eurasia)の合成語で、「ユーラシア大陸の様に広い」という意味。響きはいいが、ここは「世界一周の動物旅行」をキャッチにしてるので、ちょっと違和感があるかな。
※気候帯・地域別に7つのゾーンに分けられている
広いけど、動物の数は多くない
ズーラシアは、野毛山動物園の動物を移動させるために作られた。ところが市民の要望で野毛山動物園の存続が決まったので、広い用地にやや少なめの動物になってしまった。現在の面積は40.2haだが、全面開園すると約53.3haになって、日本最大級の動物園になるそうだ。
- 訪れた動物園の面積》
※動物のいないところは自然体験林や広場になっている
スムースに見て回れる
40.2haでも十分広いのだが、それほど広さを感じさせない構造だった。
まずルートが一本道なので、迷ったり、行ったり来たりすることがない。順路に従って歩けば、動物を見損ねることもない。
そして動物と動物の距離が短いので、移動が気にならない。多摩動物公園では、この移動が大変だったからね。
動物は少ないけど、飼育場は広い。そのせいかズーラシアはとてもきれいな動物園だなと感じた。これはイメージの話で、上野や多摩が汚いわけじゃないよ。
※世界一周の一本道
モート式の展示
ズーラシアの多くの飼育場では、来園者と動物の間を柵ではなく、堀で区切っている。この堀のことを「モート」と言う。モートは動物の身体能力を考慮して作られているので、動物が飛び越えてくることはない。ただ、落っこちて怪我をすることはままあるようだ。
モート式だと飼育場がステージのように見やすくなるが、やや距離が遠くなるので双眼鏡が欲しくなる。一方、動物たちにとっては、モートがあると人間と距離が置けるので精神安定に効果があるそうだ。
※動物が小さく見える
印象的な動物1:カラス
ふと、頭上のカラスがなにかをくわえているのが見えた。望遠レンズでズームすると、小さなネズミの赤ちゃんだった。私たちが見ている前で、カラスはネズミを丸呑みした。すげー。
※まだ生きてるよ!
どこのネズミだろう? 目の雨にあるスマトラトラのケージ内の草むらに、同じようなネズミの姿を目撃した。ちょろちょろ走っているのは、子どもを捜しているのか。猛獣の近くに住んでいても、注意すべきはカラスだった。
印象的な動物2:スズメ
どこの動物園もそうだが、ズーラシア園内にはたくさんのスズメがいる。スズメは身体が小さいので、ほとんどの檻に出入り自由なのだ。
ライチョウの檻では、たくさんのスズメがライチョウの餌を荒らしていた。ちん入者に餌場をとられ、散らかった餌を食べる主人の姿は、涙を誘った。
※たくましいスズメたち
印象的な動物3:ムスメドモ
非常にやかましい動物で、徒党をなして園内を練り歩いていた。
「ゲハハ」「マジマジマジ」「チョー! カワイクネ?」という奇声にムカつくものの、ズーラシアは一本道なのでやり過ごせない。誰か駆除してくれ。
ズーラシアで撮った動物たち
冗談はともかく、動物の写真を載せよう。
動物園も慣れてきたので、手当たり次第に撮るのではなく、それなりに「意図」をもって撮りたい。とはいえ雨は降るし、時間もないので、狙った構図になるまで待っていられない。となると、手っ取り早く望遠レンズや好感度のカメラが欲しくなるんだよね。
※インドゾウ:目がいいね
※カンムリシロムク:檻が近いと望遠で飛ばせる
※オセロット:樹上に潜んで、こっちを見てくれない
連続撮影
ちょっと動きを再現してみよう。
※あくび~(ウンピョウ)
※ほー(ダスキールトン)
ウォークインバードゲージ
大きな鳥の檻に入れるところがあった。「りすの家」ならぬ「とりの家」というわけだ。入ったとたん、藪から鳥が飛びかかってきたので、めちゃくちゃ驚いた。目をもどすと、橋の向こうをなにかが横切った。なんだ、ありゃー! 珍鳥が多くて、興奮してしまった。やっぱりいいね、こういうの。
※飛びかかってきた!(ベトナムキジ)
※なんか横切った(ギンケイ)
フンボルトペンギン
ズーラシアが特殊なのか、今日だけ特別なのか、やたらゆっくり泳いでいた。シャッタースピードを過剰にあげることなく、落ち着いて撮影できたよ。
※水面をたゆたうペンギン
※ペンギンの足の裏 この足で氷の上に立っているんだね
アカカンガルー
群れの中に、子を袋に入れた母親カンガルーがいた。母親が食事をすると、子も顔を出していっしょに食べている。袋から上体を出すのは大変そうだ。また母親が子の動きなど気にせず身体を起こしたり、飛び跳ねたりするので、ますます大変だ。やがて子どもは、自分で歩いた方が早いと気づき、袋を出て行くのかもしれない。
※わわっ、母ちゃん、おれ、まだ食べてるよ~
シロフクロウ
多摩動物公園でも見たけど、こいつ、不気味なんだよね。
第1に首がまわりすぎる。そっぽ向いてるときは、顔のない鳥かと思ってしまうよ。第2に目が怖い。多くの鳥や動物は目が左右についているのに、こいつは正面を見ることができる。どことなく人間に見えるので、不気味なんだろうな。
※首がまわりすぎる
ホッキョクグマ
ホッキョクグマが落ち着かない様子で首を左右に振っていた。上野動物園のホッキョクグマも同じ場所を行ったり来たりしていた。なんかストレスがあるんだろうか? 動きを重ねてみた。
※首を振るシロクマ
物静かなオカピ
「生きた化石」「森の貴婦人」「世界三大珍獣の1つ」と称されるオカピ。ズーラシアは、日本で最初にオカピを公開した動物園なのだ。上野動物園でも見たけど、写真を撮ってなかったので掲載しておく。
※キリンの先祖に近い動物らしい
アカカワイノシシ
20日前(4月3日)、アカカワイノシシに三つ子の赤ちゃんが生まれた。18日から一般公開され、名前を募集中だとか。この赤ちゃんを見ることが、本日の目的の1つだった。
イノシシの赤ちゃんは「うり坊」と言うが、まさにそう呼びたくなる愛らしさだった。
※大きな母親イノシシ 耳のカタチが特殊
※子どもも小さいながら、同じ耳のカタチをしている
母親イノシシの無視っぷりがすごい。自分だけ草をはみ、三つ子を蹴散らすように移動する。生後1ヶ月も経ってないのに、もう眼中にないのだろうか。それでも三つ子は必死に母親のあとをついていく。その姿がキュートだった。
※お母さんの乳に群がるが、無視される
※反省するような三つ子
やっぱり動物の赤ちゃんはかわいいね。上野動物園で見たコビトカバの赤ちゃんを思い出す。ちなみに、うり坊の縞模様は4ヶ月ほどで消えてしまうらしい。名前が付くころには、見た目も変わっているんだろうな。
■横浜市立よこはま動物園ズーラシア
[所在地] 横浜市旭区上白根町1175番地の1
[連絡先] 045-959-1000
[開園] 1999年4月24日
[面積] 40.2ha (全面開園すると約53.3ha)
[料金] 600円+駐車場1,000円(1日)
[URL] https://www.zoorasia.org
16時30分、閉園時間となる。
1番のインドゾウから順に見てきて、43番のアカカワイノシシまで見ることができた。「わんぱくの森」が残っているけど、係員さんが施錠をはじめたので、帰ることにした。
遅れてスタートしたけど、すべての動物を見ることができてよかった。