光が丘清掃工場見学 / 実地で学ぶ「ごみ問題」

2011年 東京都:西部 社会見学
[WGS84] 35.761242, 139.628364 - Google Earthで開く(kml)

 光が丘清掃工場を見学してきた。

 光が丘に越してきたとき、もっとも目を引いたのは白い煙突。いつか見学したいと思っていたが、10年も経ってしまった。
 説明や施設も興味深かったが、案内してくれた職員がユニークだった。

光が丘清掃工場
※光が丘清掃工場の白い煙突

清掃一組

 東京23区のごみ処理施設は、「東京二十三区清掃一部事務組合(通称:清掃一組)」によって運営されている。ほとんどの清掃工場は見学会があって、個人でも参加できる(電話による事前申し込みが必要)。
 見学会は概要説明とビデオ鑑賞、それから工場見学という流れになっている。案内してくれるのは職員さんで、率直な物言いがおもしろかった。

光が丘清掃工場
※率直すぎる職員さん

 たとえば、工場の仕組みをいちいち原子力発電所にたとえるのだが、技術的には正しいけど、原発事故が注目を集めている現状では印象がよろしくない。あるいは有毒物質の可能性を「ない」と断言せず、「ほぼ、かぎりなくゼロに近い状態にする」と言っちゃったりするわけだ。
 頭の固い人は眉をひそめるかもしれないが、個人的には好感がもてる人物だった。

光が丘清掃工場
※光が丘清掃工場の模型

光が丘清掃工場
※説明を聞いたら、施設内を見学する

白い建物の中身

 清掃工場の中は清潔だった。ごみも臭いもしない。空気も随時チェックしているので、ふつうの施設より清潔らしい。しかしその内部には、近隣から集められた家庭ごみがたまっていた。

光が丘清掃工場
※巨大なごみバンカー

 巨大なクレーンがごみを攪拌し、焼却炉に投入する。有毒物質やガスが発生しないよう、800度以上の高温で焼くのだが、ごみは不純物がいっぱいだ。燃えすぎたり、燃えなさすぎたりしないよう、うまく調整しながら、24時間燃やし続ける。ごみの燃え方なんて、どうやって推測するのか。相当な熟練が必要そうだ。

光が丘清掃工場
※ごみクレーン操作室

ごみ問題を理解する

 経済的には「ごみ」でも、物理学的には「物質」である。砕こうと燃やそうと、物質は消滅しない。残った焼却灰を高熱処理して「スラグ」にすれば、さらに容積を圧縮できるものの、大量の電力を消費するそうだ。

光が丘清掃工場
※焼却炉:効率よく燃やしつづける

光が丘清掃工場
※灰バンカー:光が丘清掃工場で処理できるのはここまで

 最後に残った灰は、埋立地に運んでいる。東京都が使える埋立地は、あと50年でいっぱいになる。そのあとのことは、なにも決まっていない。捨て場所がなくなる日を少しでも遠ざけるため、ごみを減らす/分別するといった努力が求められる。知識はあったが、見学会でごみ問題を強く実感できるようになった。
 ほんと、ごみ処理はたいへんだよ。

光が丘清掃工場
※発電機:4000KWと書いてあるが、そこまで発電能力はないらしい

光が丘清掃工場
※東側は光が丘体育館のプールに温水を送っている(西側は温室植物園がある)

 ごみの焼却炉には種類があるので、ほかの清掃工場を見学するのもおもしろそうだ。じつは3月に豊島清掃工場を見学する予定だったが、東日本大震災で流れていたのだ。このほか、船でわたる埋立地の見学会なんてのもある。申し込んでみようかな。

東京二十三区清掃一部事務組合ホームページへようこそ!(東京23区内清掃工場) Clean Association of TOKYO23

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