あっという間の25分 / 築地市場マグロ卸売場見学
2012年 東京都:都心部 カレー 港・市場 社会見学 魚築地市場のマグロ卸売り場を見学してきた。
昼の築地市場は見学したけど、やっぱり市場が開いてる未明も見てみたい。あまり細かいことは考えず、3日(水)の午前5時半に訪れるが、受付終了で見られなかった。受付開始は午前5時だが、午前4時半で120名の枠が埋まってしまったそうだ。
やむなく日を改めて再チャレンジ。6日(土)の午前4時着で見学できた。ふぅ。
10月3日 - 1回目のアタックで学んだこと
築地市場マグロ卸売場の見学会は無料で、事前申し込み不要。先着60名ずつ、2回開催される。1回目は午前5時25分から、2回目は午前5時50分からの25分間ずつ。受付開始は午前5時からだが、見学者が多いときは前倒しされる。係の人に聞いてみたが、見学者の数は日によって異なるため、何時なら大丈夫とは言えないそうだ。
※おさかな普及センター前に並ぶ人々:午前4時で20人くらい
電車は動いてないので、ほとんどの客はタクシーで乗り入れる。しかし私の家から築地までタクシーを使うと高いので、車にした。駐車場があるのは確認していたが、具体的な路地まで見ていなかった。未明の築地はたいへん混雑するので、駐車場を見つけるのに手間取ってしまった。
そして受付場所である「おさかな普及センター」が見つからない。築地市場は観光地じゃないから、案内標識は少ないのだ。人は多いけど、忙しそうだから声をかけづらい。
ちなみに「おさかな普及センター」は構内の建物なので、iPhoneの地図ではヒットしない。事前に位置を把握しておく必要がある。勝どき門入り口横にあるから、隅田川の方向がわかればなんとかなる。場外市場しか知らない人は迷うだろうな。実際、多くの外国人がうろうろしていた。まぁ、タクシーなら「おさかな普及センター」前で降ろしてくれるんだろうな。
こうしたロスタイムで、センター到着は午前5時半になったわけだが、受付終了は予想外だった。午前3時に家を出てきたのに、すごいショック。
呆然としながら、私は千葉方面に抜けた。幕張メッセでCEATECを見るためである。そして帰り道となる6日に再チャレンジしたわけだ。
10月6日 - 2回目のアタック
2回目ともなればスムースに見つけられる。センター到着は午前4時。すでに20名くらいが並んでいた。4時15分にセンターが開き、なにもない部屋で待機する。暑い夏や寒い冬はありがたいだろうな。蛍光色のベストは見学者の入場証であり、コース終了時に返却する。見学に際して、名前や住所を書くような手続きはなかった。
4時半くらいで部屋がいっぱいになる。60名以上だが、120名には達していないだろう。3/4くらいは外国人だ。英語じゃない言葉が聞こえてくる。何語だろう? 日本にいる感じがしない。
中央のテレビが見学の注意事項を流しているが、日本語と英語だけ。パンフレットは日本語、英語、ロシア語、中国語、韓国語。ぜんぜん足りないような気がする。
※おさかな普及センター内:蛍光色のベストが入場証になる
マグロ卸売り場(マグロせり場)へ
5時25分になった。係員に誘導されて、マグロ卸売り場へ。センターからそれほど離れてないが、暗い中をターレットトラックがびゅんびゅん行き交うため、けっこう緊張した。
卸売り場があるエリアは冷蔵庫の中のように冷え切っていた。吐く息が白くなる。キンキンに冷えているわけじゃないが、長時間いると芯から冷えそう。
※見学者区域入り口
※マグロ卸売り場
※右手に並ぶマグロはやや小さい
※見学者たちは売り場の中央にいる
※撮影しまくる
けっこう静か
「せり」というと、喧嘩のように荒々しい様子を想像するが、実際は静かだった。静かすぎて、せりがはじまったのかどうかもわからない。
大きな冷凍マグロのあいだを、仲卸業者がゆらゆら動いている。マグロ鈎で尾を突っついたり、皮をめくったりして、品質を確認する。確認して、すぐ買うわけじゃない。どこで購入の意志を示すんだろう?
「せり」っぽいヤリトリもあったが、とても静かだった。手を挙げるのは1人以下。今朝は特別に静かなんだろうか? わからない。「え"-」とか「あ"-」とか、耳慣れない音が聞こえてくる。日本人のはずだが、日本語じゃないようだ。
※切り身で品質をチェックしている
※尾の皮をめくる
※マグロ鈎で尾を突っつく
※せりっぽいヤリトリはあるが、静かだ
あっという間の25分
ショーじゃないから、せりの開始から終了までを見られるわけじゃない。私が見たのはせりの一部にすぎない。まぁ、当たり前と言えば当たり前か。
これと言った見せ場もなく、25分が経過し、私たちは卸売り場から追い出された。係員が「ハリーハリー!」「クイッククイック!」と叫ぶ。場内はますます慌ただしくなっていた。外に出ると、もう夜が明けていた。
※ターレットトラックが行き交う
※レンズが曇った
海幸橋門でベストを返却する。これで見学コースは終了。あっけない。
さて、どうするか。水産仲卸業者売場が一般開放されるのは午前9時から。魚がし横丁は開いているので、なにか食べていこう。
中栄(なかえい)|大正元年創業の老舗カレー店
築地市場は何度も訪れているが、食については結論が出ている。すなわち「高いものは食べない」だ。築地市場は世界最大の魚市場だが、そこで供される食事が世界一というわけじゃない。ぶっちゃけ、観光地価格の食事が多すぎる。
築地市場はあんがい洋食系メニューが発達しているらしい。魚市場で働く男たちには、気軽に食べられる洋食が喜ばれたのだろう。
と言うわけで、カレーを食べることにした。「中栄」という店である。
※中栄:店構えに惹かれた
回転の速い店だった。次々に客が入ってきて、食べて、去っていく。みんな印度カレーと味噌汁を注文する。定番なのだろう。
私は単品の印度カレー(500円)にした。納得のボリューム。辛くて、うまい。いいじゃない。千切りキャベツにカレーを絡めながら、もりもり食べた。
※印度カレー (500円):納得のボリューム
食べ終わって午前6時半。いつもの朝になっていた。
今日は「築地秋まつり」や波除稲荷神社の「御初穂祭(おはつほさい)」があるが、開催時刻まで待っていられない。車があると、不便なときは不便だ。
ともあれ長年の懸案だった築地市場を見学できた。私は車を発進させ、家に帰った。