皇居一般参観に申し込んだ / 皇居見学 (1/2)
2010年 東京都:都心部 社会見学東京の真ん中にあるのに、ちゃんと見たことがない場所──それは皇居。
千鳥ヶ淵や科学技術館でかすった程度で、皇居の敷地内を歩いたことはない。天皇皇后両陛下のお住まいである「吹上御苑」は入場できないが、「北の丸公園」と「皇居東御苑」は一般公開されている。事前予約が必要な「皇居一般参観」というコースもあるので、ここを歩いてみることにした。
皇居一般参観
皇居一般参観は平日の午前と午後に2回ずつ、許可制で実施している。宮内庁・参観案内のホームページから申し込める。
私たちが申し込んだのは午前の部。参観者は桔梗門(ききょうもん)に集合し、ここから係員に窓明館(そうめいかん)まで誘導してもらう。
桔梗門を開放せず、数名ずつ通すところがインペリアル。
※桔梗門:数名ずつ通される
※内桜田門渡櫓:内桜田門は桔梗門の別名
余談だが、皇居には9つの門がある。大手門、桔梗門、坂下門、皇居正門、桜田門、半蔵門、乾門、北桔橋門、平川門。濠と塀で囲まれているので、これらの門からしか入城できない。
参観は1時間半くらい
窓明館に集まった参観者は100名くらいか。ここで係員の注意やビデオを見て、皇居参観のイメージをつかむ。欧米人の姿もちらほら。中国語や韓国語の会話は聞こえてこない。中国や韓国の人たちは、皇居を参観したいと思わないのかもしれない。
※窓明館に集まった参観者たち
窓明館のイントロダクションに30分、実際の参観は1時間くらい。歩く距離は2kmくらいだが、ポイントごとに係員の説明が入る。また列が長くなるため、どうしても時間がかかってしまう。
外国人はみなイヤホンをしている。音声ガイドが配布されるようだ。窓明館のビデオもそうだが、英語版しかないのかもしれない。
さて、コース上で見聞きしたものを、すべて書き出すのは意味がないだろう。
長和殿のベランダが思ったほど高くなかったり、灯籠が有田焼だったり、香川県産の由良石が敷き詰められていたり、伏見櫓の前に濠があったりするけど、興味がある人は自分の目で確かめてほしい。
※富士見櫓:石垣は14.5mの野づら積み
※宮内庁庁舎:馬車回しがあるよ
※松の塔:国民の寄付で造られた照明灯
※長和殿(ちょうわでん):163mにおよぶ長さ
※正門鉄橋前の石垣:ここだけ積み方がちがう
※正門鉄橋(旧・二重橋)から見る正門石橋
※正門鉄橋と伏見櫓・十四間多聞
※おぉ~、点いているところを見たい
余録:橋灯の比較:日本橋の橋灯、四谷見附橋の橋灯、皇居正面鉄橋の現橋灯、皇居正門石橋旧飾電燈(東御苑、江戸東京たてもの園)
※山下通り:紅葉してる
※石垣を修復している
あらためて感じたのは、皇居は「城」だってこと。江戸時代の建築物はあまり残っていないが、石垣や勾配、樹木や道などに城郭の名残を感じる。こんな場所が、東京のど真ん中に残っているのは素晴らしいことだと思う。
東京から隔絶されたようで、開かれている。威厳はあるが、威圧感はない。すべてが意図したことではないだろうけど、皇居の雰囲気は、皇室のイメージに合致する。
世界最古の王室──皇室。
バッキンガム宮殿やヴェルサイユ宮殿を訪れたことはないが、皇居がそれらに見劣りすることはないと思う(いずれ確かめねば)。
※元枢密院庁舎:国会議事堂のモデルになったと言われている
参観は窓明館で解散となるが、つづいて東御苑を見たい人は三の丸尚蔵館まで誘導してもらえる。参観者の多くは団体客なので、個人の意志とは関係なく桔梗門から出て行った。
もちろん私たちは東御苑に向かった。