霧の美ヶ原高原

2011年 長野県 #信州ドライブ 山頂 牧場
[WGS84] 36.223904, 138.124438 - Google Earthで開く(kml)

美ヶ原高原は、嫁がぜひ訪れたいと言っていたところだ。

ネットで高原の写真を見て気に入ったようだが、車で走っていると視界はみるみる霧に覆われていった。おまけに雨も。しかしここまで来て、あきらめるわけにもいかない。雨合羽を着て歩いていると、雨は上がり、霧も薄らいだ。ベストにはほど遠いが、ベストはネット出てみるから、これはこれでいいだろう。

美ヶ原高原
※標高が上がるにつれ霧が濃くなってきた

美ヶ原高原

美ヶ原(うつくしがはら)高原は、松本市の南東、八ヶ岳中信高原国定公園の最北に位置する高原。日本百名山の1つに数えられる。古くから牧場として栄えてきたが、近年は風光明媚な観光地として名高い。

パノラマ:山本小屋ふる里館・駐車場より

※パノラマ:山本小屋ふる里館・駐車場より

美ヶ原高原アドバイス
  • 美ヶ原山頂(王ヶ頭)は真夏でも20℃を越える日はまずありません。真夏でも上着を一枚用意したほうが安心です。
  • 美ヶ原高原は「3日に1度は霧が発生する」と言われるほど頻繁に霧が発生します。いま晴れていても5分後に霧に覆われることもあります。

牛伏山(うしぶせやま)展望台へ10分

せめて牛伏山(うしぶせやま)は登りたい。登ると言っても、駐車場から10分ほどの距離。勾配はあるが、子どもだったら駆け上れる程度だ。

牛伏山
※展望台に登っていく

牛伏山
※途中で駐車場を振り返る

牛伏山
※たくさんのケルンを抜けた先が牛伏山展望台

ほどなく山頂が見えた。標高1,990m、北アルプスはもちろん浅間山、南アルプス連峰、富士山も見渡せる360度のパノラマが広がっているのだが、あいにく霧でよく見えない。でも、心の目で見える。まだキャッシュが残っているから。

パノラマ:牛伏山

※パノラマ:牛伏山

山のカタチがよく見えない
※山のカタチがよく見えない

関西弁の母娘がはしゃいでいた
※関西弁の母娘がはしゃいでいた

ケルン
※ケルン

美しの塔へ30分

念のため着ていた雨合羽を脱ぐ。濡れるより、蒸れる方がつらい。さいわい、雨足は弱くなっている。
さて、最低限の目的は達したが、もう少し歩けそうだ。なので美ヶ原のシンボル・美しの塔に足を伸ばす。いったん駐車場に戻って、王ヶ頭(おうがとう)方向に向かって歩く。ほとんど水平の道で歩きやすい。

遠くに放牧された馬や牛がいた
※遠くに放牧された馬や牛がいた

雨も霧も気にしてないようだ
※雨も霧も気にしてないようだ

やがて美しの塔が見えてきた。写真で見たより小さく感じるのは、まぁ、いつものこと。美しの塔は、霧が発生したとき鐘を鳴らして登山者に位置を知らせていたそうだ。実際、塔より先に鐘の音が聞こえてきたが、鳴らしていたのは登山客だった。鐘は手動で鳴らす仕掛けになっている。ハイキングコースが整備された現在は鐘を鳴らす必要はないのかな。

美しの塔
※美しの塔:鉄平石で造られた避難塔

塩くれ場へ10分

水平移動であまり体力を消耗してなかったので、もう少し先まで行ってみよう。霧の中を進んでいくと塩くれ場に出た。ほどよく霧が薄らいできて、自分たちが途方もなく広い高原にいることがわかった。ここは日本有数の広さをもつ美ヶ原牧場のただ中だった。

塩くれ場
※道の先が見えない

ちなみに塩くれ場は、昔から牛や馬たちに塩分を与えるために利用された場所。大きな岩の上に塩を置いて、牛に舐めさせたそうだ。私たちが訪れたときは、塩を舐めている牛はいなかった。

塩くれ場
※散策路の近くに牛の集団がいた

塩くれ場
※目があった。今は反芻している。

霧の向こうにテレビ塔が立ち並ぶ王ヶ頭が見えた
※霧の向こうにテレビ塔が立ち並ぶ王ヶ頭が見えた

王ヶ頭(おうがとう)まで行って帰ってくると2時間くらい。ちょっと厳しいので、ここで折り返すことにした。三脚があって、天気がよければ、王ヶ鼻(おうがはな)から夜景を撮ったり、天体観測を楽しむという手もあったのだが......。

マツムシソウ
※マツムシソウ:在来植生を復元しているので、採っちゃ駄目よ

タカネアザミ
※タカネアザミ

駐車場にもどって、いちごを食べる。さて、どうしようか。
予定では、日のあるうちに諏訪に入って間欠泉でも見ようと思っていたが、もう間に合わない。すいか、おやき、旧山辺学校と、予定になかった立ち寄りが多すぎたが、後悔はない。諏訪では風呂と飯が食えればいい。
地図を見ると、牛伏山山頂から歩いて10分くらいの距離に、美ヶ原高原美術館があった。美術館に興味はないが、どんなところか見てみたい気はする。しかし歩くのはおっくうなので、車をまわすことにした。