グラディエーター Gladiator
2000年 外国映画 4ツ星 家族すべてを失った男の悲憤を描ききった大作
もっとも印象的なのは、マキシマス将軍が惨殺された妻子にすがるシーンだ。夜に昼を継いで駆けつけたのに、遅かった。守りきれなかった。怒りよりも哀しみ、そして空虚さが伝わってくる。胸の奥をわしづかみにされたような衝撃があった。
このあと奴隷になって、グラディエーターになって、仲間とともに戦い、ついには皇帝と対峙するわけなんだけど、いささか無理があると思う。なんというか、その戦いを描くために、物語が動かされていくのを感じる。不自然なのだ。
とはいえ、カッコイイのも事実。ラストに違和感を覚えないでもないが、男くささで押し切れたと受け止めたい。
悲しさ、激しさ、美しさ、男らしさ、古代ローマの壮大さ……。
そしてなにより、マキシマス将軍のひたむきさに心打たれる作品である。