ヘルレイザー3 Hellraiser III: Hell on Earth

1992年 外国映画 2ツ星 ホラー モンスター:悪魔 痛い

セノバイトは他人に興味ないでしょ!

新たな主人公、新たな場所、新たな箱で仕切り直し。前作で死亡したピンヘッドが復活。ピンヘッドの人間時代が掘り下げられる。
私にとって魔道士は魔道士。見た目の差はあれど、個別認識してなかった。原作小説は個体名がなかったし。
だからピンヘッドが注目され、その人間時代が描かれたのは驚きだが、まるで興味なかったし、その内容もオソマツだった。

大尉はマゾじゃなかった?

エリオット・スペンサー大尉は究極の性的官能(苦痛)を求める人物に見えない。フランクのように箱の効験を誤解していたようにも見えない。なんであれ大尉とピンヘッドが不連続。わざわざ過去を描いた意図がわからない。「ルマルシャンの箱は永遠の快楽(苦痛)を与えてくれる」という基本設定が蔑ろにされている。

セノバイトが殺戮?

魔道士はマゾヒスト。しかも「人間に与えられる苦痛」に頓着しないから、人間を崇拝したり、支配される歓びに陶酔することもない。魔道士は、箱を開けた人間しか興味がない。箱を開けた人間は仲間だから、善意から快楽(苦痛)を与える。そんな魔道士が復讐したり、殺戮に興じるなんて考えられない。死んだら苦痛を楽しめない。魔道士の信仰に反する。

クラブハウスで「shall we begin」と言ったら、全員に異次元の拷問をかけて、才能あるマゾヒストを見つけ、仲間にするんじゃないの? あの手この手で人体破壊して高笑いなんて、凡百の殺人鬼がやること。ヘルレイザーでやることじゃない。

まぁ、マゾヒストを描くのは難しいし、需要は少ない。安直な殺戮を描きたくなる気持ちはわかる。しかし看板を借りて基本設定を無視するのはよろしくない。


クライヴ・バーカー Clive Barker

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