サイレントヒル: ザ ショートメッセージ (PS5) SILENT HILL: The Short Message

2024年 ゲーム 3ツ星 #SILENT HILL カルト モンスター 主人公は子ども 夭折 狂気 異世界に召還

死んでも抜け出せない。

ストーリー

ドイツの寂れた町・ケッテンシュタット。女子学生アニタは、友人マヤに呼び出されて廃墟と化したヴィラにやってきた。ここはティーンエイジャーの自殺の名所。そしてマヤがアートワークを作っていたところ。

別の友人メアリの電話から、マヤが自殺していたことを知らされる。なぜ忘れていたのか? 自分を呼び出したのはだれか? アニタはマヤの芸術性、カリスマ性に嫉妬し、マヤの危機に黙っていた。マヤを自殺に追い込んだも同然。アニタは飛び降り自殺した。

しかしアニタは死ななかった。アニタはSNSメッセージに誘われ、自分とマヤの過去に向き合い、自分自身を許した。そして友人メアリがいる現実に戻っていった。

ゲームとしては、かったるい。怪物を撃退できず、ぐるぐる逃げるだけ。次のフラグがすぐ見つかるわけじゃなく、ストレスがたまる。めんどくさい。

アニタは不美人で根暗。プレイヤーの分身でありながら、応援できない。本作には実写パートがあるが、なぜ実写にしたのか。演出意図がわからない。不思議なことに、ポリゴンより実写のほうが視聴ストレスが低い。と言っても、好感がもてる登場人物たちでもない。

ストーリーのプロットはおもしろい。とりわけ自殺しても死ねない(終わりにできない)ところはよかった。サイレントヒルらしく、かつ、新しい絶望感だ。自殺シーンが出るたび、相談窓口の案内が出てくるところも、なんだか不気味に感じられた。

「サイレントヒル現象」はいいアイデアだった。これなら舞台をアメリカに制約されない。しかし本作のそれは、サイレントヒルらしくなかった。怪物から逃げるだけのゲームは多いので、「よくある状況」になっている。裏世界が、アニタの呼吸音をえんえん聞かせられるモード、でしかなかった。

回想パートの演出がよかった。視点の低さで子どもをあらわし、部屋を移動するたび時間が経過してゆく。ただこれもイベントシーンを自分で操作しているだけで、ゲーム的なおもしろさはなかった。

母親の問題(育児放棄/死体遺棄)も、アニタの設定には影響するが、物語としての意味はあまりなかった。「極東の魔女」も、同じくアニタの物語にからんでこない。いろいろ整理されてない印象を受けた。

嫌うほど駄目ではないが、好きになるほど深みはない。
ただ、「サイレントヒル」リブートは期待できそうだ。

サイレントヒル
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