レビュー  2001年06月02日  に発表された 

ふたつの墓の謎 / ジェシカおばさんの事件簿 SP3
Murder, She Wrote: The Last Free Man

4ツ星

現代よりはるかに女性が発言しづらい時代

あらすじ

ジェシカは先祖の歴史を知るため、南部の町カルペッパーへやって来た。そこでカサンドラという女性から、サム・ピンクニーという黒人奴隷が殺された話を聞く。サムの雇い主であったサラ・マッカラーこそ、ジェシカの先祖であった。
ジェシカとカサンドラは資料を探し、真相を調べた。

真相

1860年。農場主ロバートが結婚直後に射殺され、黒人奴隷のサムに容疑がかかる。しかしロバートとサムは黒人奴隷を北部に逃がす活動をしており、事件当夜、サムは匿っていた奴隷たちといっしょだった。
だが奴隷に釈明の余地はなく、サムは問答無用で射殺された。
怒ったサラは真犯人を名指しするが、白人たちはロバートの死によって得られる利益に目がくらみ、口を閉ざしてしまった。

現代編(2001年)と過去編(1860年)を交互に描いた意欲作。もちろん過去編だが主題だが、現代でもちょっとした事件が起こるため、最後まで飽きさせない。

サラ(ジェシカの先祖)は年老いた未亡人で、財産もないが、自分の信念を貫く凛々しい人だった。共闘してくれる男性(旦那か息子)がいれば、またちがった展開もあっただろうに。人生ままならない。
サムが殺され、ここから本気の捜査がはじまると思ったら、その場ですべて暴露されてしまった。しかし問題は、その先だった。犯人が自白しても、白人男性たちは逮捕せず、いま殺した黒人奴隷に詫びることもない。真相を伏せたほうが、ロバートの未亡人や土地を手に入れるのに好都合だから、事後従犯となったのだ。支配者としての矜持もない、ただの卑怯者だった。
サラはサムの無念を晴らすと誓うが、そのため寂しい余生を過ごすことになる。これほどの才女であっても、社会は変えられない。いたたまれない結末だった。


※ジェシカの先祖:サラ・マッカラー

現代にも人種差別は残っているが、この真実は、館長の価値観を変えられただろうか? そうは思えない。またカサンドラの車を汚した連中も見つからず、もやもやした気持ちで終わってしまう。まぁ、リアルと言えばリアルだが、娯楽としてはスッキリしない。

そこで、結末を書き換えてみた。

★妄想リメイク

サムは死に、真実は葬られた。サラも口を閉ざし、静かな余生を過ごした。
しかし殺されたのはサムではなく、サムの弟だった。サラはこっそりサムを北部に逃していた。サムは家庭を築き、その子孫が初の黒人市長になっていた。

そのカラクリがヒントになって、館長の息子がカサンドラの車に悪戯したことが露見する。館長は秘密にしてくれと懇願するが、ジェシカは、「そういう時代ではありません」と拒否。館長の権威は失墜し、観光者向けの案内プログラムは見直されることとなった。
「世の中は少しずつよくなっていくんですね」
カサンドラは微笑むのだった。

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ふたつの墓の謎 / ジェシカおばさんの事件簿 SP3