オズの魔法使い EPISODE1 ビニアルーの本と西の魔女 The Witches of Oz / Dorothy and the Witches of Oz (Episode 1)
2012年 外国映画 3ツ星 #オズの魔法使い ファンタジー:童話前半はよかった
オリジナルを現代風にアレンジした作品と思っていたが、じつは後日談(続編)だった。後半はグダグダだが、前半はなにかが起こりそうな予兆に興奮した。ここで視聴を辞めてもよかった。
危機が迫っているのに、ドロシーはなかなか気づかない。主人公より観客の方が情報量が多くなるスタイルはおもしろい。しかし黒幕(西の国の魔女)は顔を見せないし、ラングイディアは首をすげ替えるから個人を特定できない。やっぱりプロットはよい。
ラストでドロシーはヘンリーの姪ではなく、大叔母だったことがわかる。つまり、原作が書かれた1900年に存在したオリジナルのドロシーか! 予想しなかった事実にショックを受ける。思えば、ここが盛り上がりのピークだった。
カンザスの田舎娘にとっては、ニューヨークは異世界(エメラルドシティ)にも等しい。有能なものがコンプレックスに囚われ、無能なものがウソで着飾っている。虹に向こうにあこがれた少女は、果たして「おうちがいちばん」と唱えるだろうか? そんな現代風アレンジでよかったと思う。
ゆっくり文庫
2014年に私が翻案した「オズの魔法使い」もどうぞ。