オズ Return To OZ
1985年 外国映画 4ツ星 #オズの魔法使い ファンタジー:童話 主人公は子ども @ディズニーなんて素敵にグロテスク
「オズの魔法使い」とまちがって借りて、戸惑った。「オズの魔法使」(1939)はMGM制作で、その後日談をディズニーが制作したこと、また原作にない要素がふんだんに盛り込まれていると知ったのは、ずっとあとだった。
とにかくドロシーが可愛い。めちゃくちゃキュート。一方で、ストーリーや世界観は、妙にグロテスクだ。奴隷のようなホイーラーズや、首をすげ替えるモンビ王女は、夢に出てきそうなほど怖かった。
そしてノーム王がすさまじい。あれほど生命をもてあそんでいたのに、生たまごに敗れるとは。なぜ生たまごが駄目なのか? 魔法の粉で動く剥製(ガンプ)と、たまごから生じる生命に、どんな違いがあるの? 「動く」ことと「生きてる」ことのちがいを考えてしまう。
ドロシーは女性だから、やがて生命を宿すことになる。そのときもノーム王は敗退するのだろうか? 魔法があるオズの国は、じつはもっとも魔法のない国かもしれない。考え過ぎかもしれないが、いろいろ考えてしまった。
ゆっくり文庫
2014年に私が翻案した「オズの魔法使い」もどうぞ。