9月は河畔キャンプ / かわせみ河原

2013年 埼玉県 BBQ・アウトドア
[WGS84] 36.118239, 139.216569 - Google Earthで開く(kml)

 9月は河畔でキャンプすることになった。

 目指すは埼玉県寄居町の「かわせみ河原」。嫁がニコニコ動画で見つけてきた。河畔のキャンプは難しいけど、7月の成田ゆめ牧場、8月の多田良北浜で経験を積んだから大丈夫だろうと思ったが、甘かった。しかし失敗によって新たな教訓も得られた。

かわせみ河原
※動画でよく見たスロープ

かわせみ河原キャンプ場、ではない

 かわせみ河原はキャンプやBBQを許可している河原であって、キャンプ場ではない。トイレと水飲み場はあるが、公園と同レベル。しかし予約不要で、料金も300円(美化協力費)だから、気まぐれに訪れるにはちょうどいい。
 自宅から1時間という距離もよかった。一泊二日の実験キャンプだから交通費は抑えたい。

 8時半。現地に到着するが、だれもいない。管理人もいない。広い河原に風が吹いている。玉淀大橋の向こうまで行けるようだが、スタックが怖いので出入口付近に陣度だった。
 さてタープを張ろう。テントは夕方でいいや。

パノラマ:かわせみ河原
※パノラマ:かわせみ河原

かわせみ河原
※必見 河原内は 砂地軟弱 中型以上 進入禁止 管理者

かわせみ河原
※だれもいない

かわせみ河原
※記念撮影

設営困難

 河原のキャンプが困難なのは、砂利にペグが刺さらないからだ。しかし今回は一番乗りなので、土のあるところに設営できる。これで勝ったと思ったが、ペグが刺さらない。地表から数cm下に石の板があるみたい。無理に打ったらペグが曲がってしまった。うおっ。
 ペグが打てないときは、石にロープを巻きつけたり、レジ袋に石を詰めて重石にするといい。という知識はもっていたが、現実は甘くない。運びやすい石は転がりやすい。レジ袋はたやすく破れてしまう。風が強いから引っ張られてしまうのだ。何度も挑戦したが、2本目のポールに移ったところで倒れてしまう。
 おまけにロープもレジ袋も足りない。こりゃダメだ。

かわせみ河原
※ペグが刺さらない

かわせみ河原
※運びやすい石は転がりやすい

かわせみ河原
※風が強いため、引っ張られる

かわせみ河原
※レジ袋はたやすく破れる

かわせみ河原
※うわ

かわせみ河原
※こりゃダメだ

かわせみ河原
※嫁が尖った石で指を切った。出血がひどいので、軍手を包帯代わりにする。そうじゃなくて軍手をつけて作業すべきだった。取り出すのが面倒とか言ったら、もってきた意味がない。荷物は詰め込むだけじゃなく、使う順序も考えなくっちゃ。

先に観光すればいいじゃない

 嫁がイライラしてきたので、落ち着かせる。
「タープを張れたとして、そのあとは?」
「大黒屋という喫茶店に寄って、川の博物館を見学したい」
「荷物を置いたまま?」
「盗まれなくても、風で破壊されそう」
「だったら設営前に観光したほうがいいんじゃないか?」
「そうしよう」

GORIGORI CAFE(大黒屋)
※GORIGORI CAFE(大黒屋):かき氷もところてんも美味だった

川の博物館
※川の博物館:しょぼかった

時間と場所をずらせばいい

 14時、ふたたび、かわみせ河原にもどってきた。タープはともかくテントを張れないと宿泊できない。まぁ、1時間で帰れるけど、この程度で引き下がるわけにはいかない。なんのためのキャンプか。
 出入口にいちばん近いところを陣取っていたが、5mほど奥に行くとペグが刺さった。出入口付近は車の往来で踏み固められていたようだ。風も吹いているけど、午前中ほどじゃない。問題は、ちょっと時間と場所をずらすだけで解決した。

タープ
※タープ展張。ペグが刺されば、どうということはない。

昼食はチルト餃子

 タープを張り終えると、嫁が昼食を求めてきた。予定は餃子ライスだが、
「ごはんは要らないから早く餃子を食べたい」と言う。仕方ない。
 前回は冷凍餃子で失敗したから、今回はチルト餃子にした。18個1度に焼いてもくっつかなかった。食べてみると味が濃い。できあい餃子はみんな同じ。あるいは私たちの味覚が変わっちゃったか。お手軽だけど、嫁は楽しくないという。ぜいたく言うな。

かわさみ河原キャンプ場
※風防のため、天ぷらガードを展開。ないよりマシだが、たよりない。ちゃんとした風防を買わないとダメか。

くつろぎタイムは思考タイム

 食事を終えると暇になった。河原は海辺以上にやることがない。
 日差しは強いが、タープが日陰を作ってくれる。テーブルに飲み物を置いて、椅子の背もたれに身を委ねる。らくちんだ。これでいいのか? 恒例の思考タイムである。

タープ
※ばたばた

タープ
※ぼんやりするのも飽きた

 夕方、バイクや車が入ってきて、それぞれテントを張って、晩飯を作りはじめた。焚き火で肉を焼く人もいれば、弁当で済ませる人もいる。もうすぐ日が暮れるから、タープなんて張らない。日中は出歩いて、キャンプ場に入ったら飯食って寝るのか。あのスタイルでいいんじゃないか。
 モッタイナイ精神でキャンプ場に長く居ようとするのは愚かだった。私たちはキャンプそのものを目的にできない。次回は15時くらいにキャンプ場に入る計画を立てよう。料理も晩飯と朝だけ。タープを使わないかもしれないが、それはそれ。あるから使うより、必要だから使うべきだ。

かわさみ河原キャンプ場
※となりのお兄さんのバイク。(翌朝)

かわさみ河原キャンプ場
※絵に描いたようなソロキャンプ (翌朝)

 となりのお兄さんに話しかけられた。彼はニコツーのメンバーで、動画に触発されて初キャンプに挑戦中だった。動画の影響力は強いね。翌朝もらった豆腐がうまかった。ちゃんとお礼を言うべきだった。ごちそうさま。美味しかったです。
 上流側にもバイク乗りが来ていた。ソロキャンプのようだ。荷物は最小限で、ときおりバトンの練習をしていた。話しかけたかったけど、ちと遠かった。
 夜になると、岸辺にテントを張った人が焚き火をはじめた。焚き火をするために来たのかもしれない。遠くから見ているだけだったけど、やっぱり火はいいね。焚き火台もほしくなる。
 一番乗りだったから、あとから訪れた人たちの動きをよく見ることができた。

晩飯はカレー

 15時半。晩飯の用意をはじめる。腹が空くまで待っていると日が暮れてしまう。キャンプでは早め早めに行動すべし。まぁ、ヒマだったからね。
 晩飯は定番のカレー。肉と野菜はあらかじめ家で切って、凍らせておいた。炒めて、煮込んで、ルーを溶かす。簡単だ。味はふつうだが、キャンプ効果で満足する。しかし嫁は、もうちょい凝ったものを食べたいと言う。ここを基本とすれば、さらに手を抜くか、もっと手間をかけるか。次はどうするか。

カレーライス
※定番のカレーライス

ビール
※そしてビール。ふだん晩酌しないけど、キャンプに来ると飲みたくなる。絵的に、いい。

 アウトドアの調理で面倒なのは、量の調節だ。足りないと再調理の手間がかかるし、余ったら保存にも廃棄にも困る。なので2人分ぴったりではなく、4人分を2回に分けて食べることにした。味が連続しないよう、ライスとカレーをずらす献立にした。カレーライス→カレーそうめんのコンボは完璧と思っていたが、昼に炊飯しなかったことで崩れた。
 2連続カレーライスを避けるため、4人前を食べてしまう。食べ過ぎで幸福度が下がった。これはアカン。食べきれる分だけ調理を目指そう。

3食分の計画
餃子    
ライス ライス  
  カレー カレー
    そうめん

日が暮れて

 日が暮れると暗くなり、風が鎮まり、空気が冷えはじめた。9月でこれか。10月はもっと寒いだろうな。
 18時。トイレを済ませ、水飲み場で歯を磨く。暗がりのトイレより、道路に止まっている車が怖かった。人が乗っているのか、いないのか? 幽霊より人間がいる可能性に怖いってのもシュールだ。
 鍋や皿は洗えないから、汚れをペーパーで拭きとっておく。水場があれば便利だけど、ない場合もある。洗い物を出さない、散らかさない工夫が求められる。

タープ
※タープの下にテントを張ってみた。アウター無しでいけると思ったが、夜は寒くてダメだった。

荒川
※日が暮れた

荒川
※清潔でも、夜のトイレは怖い。が......

荒川
※水飲み場で歯を磨く

夜半のできごと

 19時。久々の長時間露出をやってみた。例によって写真はうそをつく。肉眼で見たら真っ暗ですよ。
 20時。就寝する。寒いのでシェラフに潜り込む。
 明け方、クルマや珍走族の音で目が覚める。夢かと思ったが、ちがった。時計を見ると22時。まだ日付も変わってない。寝たり起きたりで、夜が長かった。

かわせみ河原の夜
※かわせみ荘。実際は真っ暗です。

かわせみ河原の夜
※玉淀大橋。実際は真っ暗です。

かわさみ河原キャンプ場
※荒川。実際は真っ暗です。

かわさみ河原キャンプ場
※朝5時。いつの間にかキャンピングカーに囲まれていた。土日フルに遊ぶため、金曜の夜から現地入りしていたようだ。

朝食はパスタ

 カレーがなくなったので、朝食はパスタに変更。あえるだけのパスタソースを使えば鍋1つで調理できる。味はジャンキーだが、悪くはない。パスタとソースも保存性に優れるから、旅先の食事に適している。要領をつかめたから、今度車中泊で試してみたい。
 しかし嫁は、ニンニクを切って炒める「ちゃんとしたペペロンチーノ」を食べたいと言う。どうも嫁はキャンプ効果が切れているようだ。手間を増やさず、おいしさを高める。なんか考えないと。

オーマイ スパゲティ
※パスタ。前々回の反省から、沸騰してから麺を投入する。

オーマイ スパゲティ
※湯切り。フライパンに移して、あとで捨ててくる。

オーマイ スパゲティ
※あえるだけのパスタソース。

オーマイ スパゲティ
※ピリ辛ペペロンチーノ

かわさみ河原キャンプ場
※ごはんの残りと、缶詰の炒めもの

最後のくつろぎ

 キャンピングカーの家族が起きてきた。運転手のオジサンが「もう帰る?」と聞くので、「はい」と答える。仲間たちとアレコレ話してる。このあたり一体を会場にするようだ。
 昼ごろになれば、さらに多くのバイクや車が来るんだろうな。でも見届けるつもりはない。タープやテントが乾いたら撤収しよう。

かわさみ河原キャンプ場
※嫁が川遊びする

かわさみ河原キャンプ場
※テントの底も乾いた

かわさみ河原キャンプ場
※撤収だ!

 9時すぎ。かわせみ河原を出発する。太陽が眩しかった。

 その後、道の駅・はなぞの比例円筒分堰などを見て、帰路につく。12時前に帰宅できた。
 こうして3回目のキャンプは終わった。

キャンプの楽しみは、問題を解決すること

 キャンプに行くと、日常にはない問題や不都合に遭遇する。ペグが刺さらない、ロープを結べない、風が強い、水場がない、暑い、寒い、忙しい、ヒマだ......。あらかじめ予測できるものもあるが、実際に直面しないとわからないことも多い。
 そのとき持っている道具と知識、知恵で解決する。これが楽しい。
 しょせんオートキャンプだから、致命的な問題は起こらない。どこへ行くか、どのくらい金をかけるかで難易度も調節できる。好奇心があれば、問題が尽きることもない。そういうゲームと思えば、なかなか楽しい。

 さて、次はどこへ行こう。

(つづく)

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