クラッシャージョウ Crusher Joe [Movie]

2ツ星

劇場の外で盛り上がった

　安彦良和の初監督作品。キャラは愛らしく、メカはかっこよく、よく動き、崩れない。声もいい。モブキャラのお遊びを見つけることも楽しかった。大人になって見返すと、ストーリーの弱さが気になる。あのころはSFと思っていたが、これはアニメだ。お遊びも目立ちすぎる。
　興行的には『幻魔大戦』『宇宙戦艦ヤマト 完結編』に敗れたが、アニメ誌でばんばん特集され、多くのアニメファンを熱狂させた。劇場の外（小ネタを含む）で盛り上がった作品だった。

　2016年、Blu-ray BOXが発売された。そのプロモーション映像を見たけど、ほんとに絵がきれい。よく動く。たまらない。80年代の興奮がよみがえってくる。でもストーリーが弱いんだよなぁ。

　2021年、YouTubeの限定公開で視聴した。やっぱり絵がすごい。ちょっとした仕草さを、全身で表現してる。ディズニーのようだ。メカも動く。戦闘機が飛び回り、宇宙戦艦が回頭する。これが手描きか。38年経ったのに驚異的だ。
　見せ場は多いが、ドラマ、テーマは弱い。ジョウは偉大な父やずるいオトナを嫌悪するが、この事件でなにかが変わったわけじゃない。すっきりしない。まぁ、アクション映画だから、これが駄目ってことはないのだが・・・。