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[レビュー2018年10月19日に発表された 

オブラ・ディン号の帰還 / Return of the Obra Dinn (PC)

Return of the Obra Dinn

これが才能か!

あらすじ

 1807年、東インド会社の商船オブラ・ディン号がファルマスの港に漂着した。同船は4年前から消息不明になっており、船内に生存者はいなかった。保険調査員である主人公は、東インド会社に損害査定を依頼され、乗船する。

 主人公は「ドクロの懐中時計」を手渡されていた。これを死体にかざすと、その人物が死んだ瞬間を見ることができる。過去は見るだけで、ドアを開けたり、ものを動かすことはできない。過去視のなかに死体があれば、その人物の死の瞬間を見ることもできる。
 主人公の使命は、60名におよぶ乗客、乗務員、それぞれの死因を特定すること。容貌、衣装、装備、言語、呼び名、動き方などから推理できるだろうか?

 「Papers, Please」の作者として知られるLucas Pope氏の新作。Lucas氏は日本人女性と結婚し、埼玉県に住んでいるそうだ。まさかのご近所さんだった。

 「Papers, Please」も独特だったが、本作もまた類を見ない作品だ。導入部がよくできていて、まず乗船し、さっくり見てまわったあとで時計を使う。船長が部下を射殺して、自殺した。なぜか? クラーケンに襲われた。なんだこりゃ? ぐいぐい引き込まれていく。

 人物を特定するための手がかりも凝っていて、多様な知識、柔軟な発想、鋭い気付きが求められる。難易度は高いが、当てずっぽうでも埋められる。推理できたときのカタルシスは大きい。何度も遊べるゲームではないが、初プレイ時の興奮は大きい。

 しかし気になる点もある。死体のところへ移動しないと過去視できないとか、ドアを抜けないと現実に戻れないといった制約がわずらわしい。「過去視には死体が不可欠」という設定だから仕方ないんだけどさ。
 あと現実はカラー、過去は1ビットと変えてくれれば、両者がもっと際立ったように思う。まぁ、このへんは作者が試して、取捨選択した結果だろうけど。

 一番気になったのは、過去(事件)を時系列に沿って見る機能がないこと。「4年前に消息を絶った無人の船が、どうして今ごろ発見されたのか?」という最初の疑問を解き明かせなかった。事件の発端から結末までを通してみたかった。

★妄想リメイク

 フォルモサの王族が身分を隠して乗船した。財宝(貝殻)に気づいた船員が王族を殺害するが、逮捕、処刑された。船長が財宝の箱を開け、船が呪われる。事故、病気が相次ぎ、船内に呪いの恐怖が蔓延する。船は異次元に迷い込み、漂流する。
 財宝を海に返そうとする航海士と船長が対立。海の怪物に襲われ、船は航行不能になる。船長が罪を認め、財宝を海に返す。
 人魚が船を港に運んできた。



Steam: Return of the Obra Dinn

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