過去日記は資産か、負債か

2009年 科技 mixi
過去日記は資産か、負債か

mixi はどんどんクローズドなSNSになっていくようだ。

先日、myリストに「過去日記設定」という欄があることに気がついた。マイミクになったとき、それ以前の日記を見せるか否かを設定するもの。日記を「全体に公開」している人には関係ないが、たとえば「友だちのみ」に制限しているところへ、新たに会社の上司がマイミクになった場合に、過去の日記は伏せておくことができる。

つまり上司をマイミクに迎えつつ、本当の会話からは除外しておけるわけだ。なんかの拍子で事実を知ったら、上司はがっかりするだろう。
それはたぶん……マイミクを拒否されることよりつらい。

嫁に指摘されて気づいたが、「最近のコメント一覧」が本人しか利用できなくなっていた。過去の日記検索も同じで、本人しか利用できない。一般公開を設定しても機能しない。日記の仕様が細かく変わっていく中で、忘れられているのかもしれない。
これもmixiが、クローズドな方向性を優先している証左と言える。

私には「自分を表現したい欲求」があり、過去日記はそれが結実したものと言える。ゆえに過去日記が増えて、過去日記へのアクセスが増えれば、嬉しいと感じる。私にとって過去日記は、喜びを増す資産なのだ。

しかし特定の相手に読まれたくない日記を書いていて、読ませたくない相手がマイミクや近くにいる人には、過去日記はつねに気を使う負債となる。うっかり公開範囲をまちがえたり、流出したらとんでもないことになる。

しかも人間関係は流動的だから、今の仲良しが将来もそうとはかぎらない。仲が悪くなっても(オトナだから)マイミクを切れないこともある。すると過去日記へのアクセスはマイミク単位、期間単位で設定できる方がよい。
たとえば、一定期間を過ぎた日記が自動で非公開になれば、過去に都合の悪いことを書いていても、ひょんなことから読まれる心配がない。

こうなると……日記を書くことそのものがリスクと言える。
であれば、ログが残らないボイスでつぶやく方がいい。
つまり日記の次は、「ボイスが届く範囲」を細かく設定できるようになるだろう。

クローズドなSNSを目指すmixiの方向性に是々非々はないが、なんだかなぁという気はする。