新聞社は現実から目をそらすな

2011年 社会 新聞
新聞社は現実から目をそらすな

 新聞通信調査会がまたウソっぽい調査結果を発表した。

欠かせない情報源、新聞1位=電子新聞の関心急増―メディア世論調査

公益財団法人の新聞通信調査会(長谷川和明理事長)がまとめた「メディアに関する全国世論調査」で、新聞を「欠かせない情報源」と考える人が56%と各メディアの中で最も多いことが分かった。インターネットは34%で、前年(29%)と比べ増加。30代以下では新聞を上回った。
昨年10月、全国の18歳以上の男女5000人に、新聞、雑誌、テレビ(NHKと民放)、ラジオ、インターネットについて尋ねた。調査は2008年以降3回目。
各メディアの印象についての設問では、新聞は「情報源として欠かせない」「役に立つ」「情報量が多い」の3項目でトップ。「信頼できる」「影響力がある」の各項目ではNHKが、「面白い、楽しい」「手軽」「分かりやすい」では民放が、それぞれ最も多かった。
朝刊を「毎日読む」と答えた人は全体の62%だったが、30代以下では21~37%。一方、ネットでニュースを「毎日見る」とした人は全体の26%。30代で46%、20代で54%と30代以下で新聞を上回った。
また、パソコンや携帯情報端末で新聞紙面と同じレイアウトのニュースを読む電子新聞の認知度は、前年調査に比べて急上昇。実際の利用者は2%だったが、21%の人が「利用してみたい」と関心を示した。
[URL] https://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011012200231
時事通信社 - 2011/01/22-17:03)

 

以前も取り上げたが、ニュースを取材する新聞社は必要だが、紙媒体の新聞紙に未来はない。アンケートは、そのへんをあいまいにして調査したと思われる。そもそも第三者に調査を依頼しない時点で、だいぶ信憑性が劣る。
 と思っていたら、こんな記事もアップされた。

若年層で"新聞離れ"が浮き彫りに......読まない理由は?

毎日、新聞(朝刊)を読んでいる人はどのくらいいるのだろうか。18歳以上の男女に聞いたところ、全体の61.8%が「毎日、新聞を読んでいる」と回答。しかし年代別に見ると、若年層の"新聞離れ"が浮き彫りに。新聞通信調査会調べ。
[URL] https://bizmakoto.jp/makoto/articles/1101/24/news049.html
Business Media 誠:2011年01月24日 13時35分

 興味深いのは、同じ調査結果に基づいていること。新聞社はポジティブな面を、第三者はネガティブな面をクローズアップしているわけだ。

 その後、録画しておいた「教えてMr.ニュース池上彰のそうなんだニッポン」を見た。1月21日放送分では、池上彰が毎日新聞社を訪れ、その仕組みを解説していた。これがまた秀逸で、スピーディに記事を取捨選択する新聞社は、一覧性のある新聞紙が、とても素晴らしいものに思えた。
 番組編成に、新聞社が影響を与えたかどうかはわからない。そもそも日本はテレビ局と新聞社が同じ系列だから、相互扶助の精神が働いたかもしれない。池上彰は新聞をよく読む人だから、提灯記事とは言えない。やはり好きな人が語ると、魅力的になるんだな。

 新聞社が生き残るために必要なことは、恣意的なアンケートで現状をごまかすことじゃない。現実から目をそらすような新聞社には、それこそ未来がない。